“濁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にご74.9%
10.2%
にごり6.4%
だみ2.7%
1.6%
1.1%
にごる0.5%
おぼ0.5%
けが0.5%
じょく0.5%
0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ほおはこけ、眼の下にふかいたるみが出来た上に、皮膚の色はどす黒くにごっていた。鏡を見るごとに味気あじきなさが身にみるようである。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
泰軒先生み声をはりあげて、お美夜ちゃんに、チョビ安のうたを習いながら、ブラリ、ブラリ、大道だいどうせましとやって来る。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
水の色は殊にややにごりを帯びたが、はてもなく洋々として大河のごとく、七兵衛はさながら棲息せいそくして呼吸するもののない、月世界の海を渡るにひとしい。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
満蔵は臆面もなくそんなことを言ってだみ笑いをやってる。実際満蔵の言うとおりで、おとよさんは省作のいるとこでは、話も思い切ってはしない。
隣の嫁 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「しいッ……しい」と呶鳴る馬方のごえが、はるか谷の下の加茂部かもべへ行く道の辺でひびいた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
飛鳥とぶとりもあとをごすなに候へば、大藤おほふぢ大盡だいじん息子むすこきしに野澤のざわ桂次けいじ了簡りようけんきよくないやつ何處どこやらの割前わりまへひと背負せよはせてげをつたなど〻斯ふいふうわさがあと/\にのこらぬやう
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
蒙りたるも最前さいぜんまですむにごるか分らざりしが今はわかれど濡衣ぬれぎぬほすよしもなき身の因果いんぐわと思ひ廻せば廻すほど又もなみだの種なるを思ひ返へしてゐるをりから後の方より背中せなか
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「遠州屋の主人がおぼれたのは、六郎のせゐぢやありませんか、親分」
私たちはこのけがれた娑婆しゃばの世界には望みを置かない。安養の浄土に希望をいだいている。私たちは病気をしても死を恐れることはない。死は私たちにとって失でなくて得である。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
この方法こそ五じょくの悪世において、その場で成仏解脱げだつを遂げ得るところの甚深じんしん微尠びみょうの方法であると教えたのであります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
眺望ながめことごとはひみて
哀音 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
これで、發音にみた所さへなかつたら、都の公家詞クゲコトバなどは、とても及ばないだらう。この短い逗留の中に、謁見エツケンした一山の房主と言ふ房主は、皆この美しいコトバで、大臣を驚した。
死者の書 続編(草稿) (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)