“けが”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ケガ
語句割合
怪我40.4%
25.5%
18.3%
8.8%
負傷3.1%
0.6%
破損0.5%
傷我0.3%
怪俄0.3%
0.3%
(他:12)1.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いや、それは身をかわしたところが、無二無三むにむざんに斬り立てられる内には、どんな怪我けがも仕兼ねなかったのです。
藪の中 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「そんだが怪我けが大變たいへんなこたねえのか」みなみ亭主ていしゆはそれも義理ぎりだといふやうにいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そして、自分も、その美しい都人のなかの一人となり得たことを誇っていた。けがしたくない。ゆめ、傷つけたくないのである。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さような立派なおかたがたに、わしみたようなけがれたもののうちに泊まっていただいてはおそれ多い気がしますのでな。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
お初の慾望は、平馬の、ただれ心に充ちた目つきにそそられたように、浅間しい、歪み、けがされたものになって来た。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
がしかしその実泥水どろみずらなくとも泥水よりいっそう深きけがれに心の染まれるものが世には多くありはせぬか。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
元日快晴、二日快晴、三日快晴としるされたる日記をけがして、この黄昏たそがれよりこがらし戦出そよぎいでぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ここに翁の霊前に叩頭して罪を謝し、大方の高助を得て翁の像を作り、蕪文を列ねて翁の伝を物し、翁の聖徳をけがす。
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
はい有難ありがたぞんじます、誠にとんだ負傷けがいたしまして……うも相済あいすみませぬことでございます
「どうしたんだい、誰か負傷けがでもしたの」と一人が聞くと、「人が出たんですとさ、人が!」と牛乳配達らしいのが眼を丸くして言う。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
それはこの男が西の宮の南天棒なんてんぼう和尚のとこに居た頃、ひどいけがをして耳朶みゝたぶちぎれかゝつた事があつた。
けがをしながら、いつになく、心が浮々する——。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
れいつぞや坐敷ざしきなかにて羽根はねつくとてさわぎしときおなじくならびし花瓶はないけたほし、散々さん/″\破損けがをさせしに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
我れいつぞや坐敷の中にて羽根つくとて騒ぎし時、同じく並びし花瓶はないけたほし、散々に破損けがをさせしに、旦那次の間に御酒ごしゆめし上りながら、美登利お転婆が過ぎるのと言はれしばかり小言は無かりき
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それよりも、こんな拙らない傷我けがをしたのが、どうせ後には母たちに知れずにはゐないのだといふ事が何よりも心を痛めた。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
「どうしてまた、さういふひどい傷我けがなんかしたんだらう。あのよく窓から赤いハンケチを振つたりした、一寸雀斑そばかすのある女だらう?」
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
怪俄けが人は出来る、死人は出来る、いやはや目も当てられぬ激しいいくさだつたのぢや。
黄金の甕 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
紙鳶たこすら自由に飛ばされず、まりさえ思う様にはつけず、電車、自動車、馬車、人力車、自転車、荷車にぐるま、馬と怪俄けがさせ器械の引切りなしにやって来る東京の町内にそだつ子供は、本当にみじめなものだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
最初から計画して、けがれた行いをするとなると、余りに卑劣である。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
その履歴知るものなけれど、おしえありて気象よの常ならず、けがれたるおこないなければ、美術諸生の仲間には、喜びて友とするもの多し。こうべなることは見たまふ如し。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
その夜豹一が母を冒涜けがされたことは、今まで自分ひとりのものであると思っていた母がもはやそうでなくなったという感傷に彼を陥れたが、同時にまた、それは性的なものへの根強い嫌悪をひそかに彼の心に植えつけてしまったのである。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
身体からだまでの径我けがはなかったが
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
あわれなかごの鳥のようで、永久に囚われの身であり、頭を割るか大我怪けがをするかよりほかに逃げ道はなかった。
白粉刷毛おしろいばけったおせんのは、名匠めいしょう毛描けがきでもするように、そのうえ丹念たんねんになぞってった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
と云いながら、お母様が灰だらけの毛書けがき筆を火箸ひばしでお拾いになりましたので、三人は又涙の出る程笑いこけましたが、お母様がこんなに心からお笑いになるのを見ましたのは、後にも先にもこの時だけであったように思います。
押絵の奇蹟 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
陰気というのは、つまりけがれのことで、けがれは、つまり気を枯らす気枯けがれということでござってな、お天道様の御陽光が消えると、けがれが起るのじゃ。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それが女道士になっているから、脂粉の顔色をけがすを嫌っていたかと云うと、そうではない。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
私たちはこのけがれた娑婆しゃばの世界には望みを置かない。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
瑕我けがで斬られたものと早合点して、一手は暫く部屋の中をうろ/\しながら
とアヤ子が叫びながら、何の罪穢けがれもないを輝かして、私の肩へ飛び付いて来るたんびに、私の胸が今までとはまるで違った気もちでワクワクするのが、わかって来ました。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
アア堂々たる男子も一旦いったんこころざしを得れば、その難有味ありがたみの忘れがたくて如何なる屈辱をも甘んぜんとす、さりとてはけがらわしの人の心やと、当面まのあたりに言いののし
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
併し此の福を惜む工夫が無ければ、武をけがすに至る。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)