“けが”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ケガ
語句割合
怪我38.7%
汚25.6%
穢20.1%
涜8.3%
負傷3.1%
傷0.7%
汙0.4%
破損0.4%
傷我0.3%
怪俄0.3%
怪瑕0.3%
冒涜0.1%
径我0.1%
我怪0.1%
毛描0.1%
毛書0.1%
気枯0.1%
涴0.1%
濁0.1%
瀆0.1%
玷0.1%
瑕我0.1%
罪穢0.1%
褻0.1%
黷0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「はい、はい」といいながら、お紋は光枝の怪我(けが)した脚にハンカチを結きつけようとしているのを見て、旦那様はさらに大きな声で
什器破壊業事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それでも自分自身が汚(けが)れた色町へ踏み込むよりは、いっそ半九郎に頼んだ方が優(ま)しであろうと思い返して、彼は努めて丁寧に言った。
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
虚偽と穢(けが)れによって作り上げられた学術の犠牲に供すべく、刻一刻に私の背後から迫りつつある事がヒシヒシと全神経に感じられる。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
フランセエズ座の名優某は匿名の下(もと)に「カイアヹエ氏の十三日の夜(よ)の行為は神聖なるモリエエルの家(国立劇場)を涜(けが)したものだ」
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)
「どうしたんだい、誰か負傷(けが)でもしたの」と一人が聞くと、「人が出たんですとさ、人が!」と牛乳配達らしいのが眼を丸くして言う。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
中馬には片つ方の耳朶(みゝたぶ)が無い。それはこの男が西の宮の南天棒(なんてんぼう)和尚の許(とこ)に居た頃、ひどい傷(けが)をして耳朶(みゝたぶ)が拗(ちぎ)れかゝつた事があつた。中馬は猿のやうに耳を押へて医者の家(うち)に走つた。
子(し)亟(すみや)かに去(さ)れ、我(われ)を汙(けが)すこと無(な)かれ。我(われ)寧(むし)ろ(三七)汙涜(をとく)の中(うち)に遊戲(いうぎ)して自(みづか)ら快(こころよ)うせん。國(くに)を有(たも)つ者(もの)に(三八)覊(き)せらるること無(な)からん。終身(しうしん)仕(つか)へず、以(もつ)て吾(わ)が志(こころざし)を快(こころよ)うせんかな
同じく並びし花瓶(はないけ)を仆(たほ)し、散々に破損(けが)をさせしに、旦那次の間に御酒(ごしゆ)めし上りながら、美登利お転婆が過ぎるのと言はれしばかり小言は無かりき、他の人ならば一通りの怒りでは有るまじと
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それよりも、こんな拙らない傷我(けが)をしたのが、どうせ後には母たちに知れずにはゐないのだといふ事が何よりも心を痛めた。この傷は直つても跡が附くに極つてゐる。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
紙鳶(たこ)すら自由に飛ばされず、毬(まり)さえ思う様にはつけず、電車、自動車、馬車、人力車、自転車、荷車(にぐるま)、馬と怪俄(けが)させ器械の引切りなしにやって来る東京の町内に育(そだ)つ子供は、本当に惨(みじめ)なものだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
婦人稀(まれ)には小児を背中(せなか)にむすびつけて押(おす)も有(あれ)ども、この小児啼(なく)ことなきも常とするの不思議(ふしぎ)なり。況(いはんや)此堂押にいさゝかも怪瑕(けが)をうけたる者むかしより一人もなし。
その夜豹一が母を冒涜(けが)されたことは、今まで自分ひとりのものであると思っていた母がもはやそうでなくなったという感傷に彼を陥れたが、同時にまた
雨 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
鶴田仙庵が自分で之を忘れて、何かの機(はずみ)にその茶椀を棚から落して硫酸を頭から冠(かぶ)り、身体(からだ)に左(さ)までの径我(けが)はなかったが、丁度(ちょうど)旧暦四月の頃で一枚の袷(あわせ)をヅタ/″\にした事がある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その時彼は、まったく囚(とら)われの身なのを感じた。あわれな籠(かご)の鳥のようで、永久に囚われの身であり、頭を割るか大我怪(けが)をするかよりほかに逃げ道はなかった。彼は泣きに泣いた。
白粉刷毛(おしろいばけ)を持(も)ったおせんの手(て)は、名匠(めいしょう)が毛描(けが)きでもするように、その上(うえ)を丹念(たんねん)になぞって行(い)った。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
お母様が灰だらけの毛書(けが)き筆を火箸(ひばし)でお拾いになりましたので、三人は又涙の出る程笑いこけましたが、お母様がこんなに心からお笑いになるのを見ましたのは
押絵の奇蹟 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
陰気というのは、つまりけがれのことで、けがれは、つまり気を枯らす気枯(けが)れということでござってな、お天道様の御陽光が消えると、けがれが起るのじゃ。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
趙痩(ちょうそう)と云わむよりは、むしろ楊肥(ようひ)と云うべき女である。それが女道士になっているから、脂粉の顔色を涴(けが)すを嫌っていたかと云うと、そうではない。平生粧(よそおい)を凝(こら)し容(かたち)を冶(かざ)っていたのである。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
私たちはこの濁(けが)れた娑婆(しゃば)の世界には望みを置かない。安養の浄土に希望をいだいている。私たちは病気をしても死を恐れることはない。死は私たちにとって失でなくて得である。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
神を瀆(けが)すものとして、刑罰に処せられたり、彼は一つの教会一つの学校をも建つることなく、事業として見るべきものは僅(わずか)に十二三人の弟子養成のみなりき
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
それは丁度払つても払つても尽きずにやつて来る塵が、絶えず心の玉を玷(けが)さう玷さうとしてゐるやうなものであつて、少し油断をしてゐると、すぐ玷されて捉えられて行つて了ふ。
心の絵 (新字旧仮名) / 田山花袋、田山録弥(著)
まさか其奴が持って逃げたとは思わないから、瑕我(けが)で斬られたものと早合点して、一手は暫く部屋の中をうろ/\しながら、主人の顔の断片を捜し廻ったであろうと考えられるのである。
とアヤ子が叫びながら、何の罪穢(けが)れもない瞳(め)を輝かして、私の肩へ飛び付いて来るたんびに、私の胸が今までとはまるで違った気もちでワクワクするのが、わかって来ました。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
アア堂々たる男子も一旦(いったん)志(こころざし)を得れば、その難有味(ありがたみ)の忘れがたくて如何なる屈辱をも甘んぜんとす、さりとては褻(けが)らわしの人の心やと、当面(まのあた)りに言い罵(ののし)り、その醜悪を極めけれども
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
併し此の福を惜む工夫が無ければ、武を黷(けが)すに至る。武田勝頼は弱將や愚將ではなかつた。たゞ惜福の工夫に缺けて、福を竭し禍を致したのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)