“負傷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けが33.3%
ておい18.8%
ふしょう11.6%
てきず8.7%
いたで7.2%
てお5.8%
ふしやう4.3%
ておひ4.3%
きず2.9%
きずつ1.4%
ふしよう1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「それに二三日、負傷けがをする者がありますから、猶更なおさら、此の礁は竜王様がおるとか、竜王様のおしみがかかっておるとか申しまして」
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
死者や負傷ておいの数も敵の十倍以上を出し、このままで斬り立てられると、ついには自身が危ういぞ——と切羽つまって来てから初めて
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はたして、その、このまち大火たいかこりました。そして、ほとんど、まち大半たいはん全滅ぜんめつして、また負傷ふしょうしたひとがたくさんありました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、思った瞬間に、太股のあたりをぎ払われて、彼もまた、相仆れに、負傷てきずを抑えたまま、腰をついてしまった。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
神様は此の罪の負傷いたで深い病弱の私にも何事か為させやうとして居給ふのであらうと思へば感謝して日を送ってゐます。
手紙 (新字旧仮名) / 知里幸恵(著)
その疾駆し去ったあとには、負傷ておいの者、断末魔だんまつまの声が入りみだれて残る。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
〔評〕兵をして對抗たいかうし、互に勝敗しようはいあり。兵士或は負傷ふしやう者のじやうを爲す、故に之を診察しんさつす。兵士初め負傷者とならんことを惡む。
玄関げんくわん式台しきだいへ戸板に載せてかつぎ込まれたのは、薩州の陣所へ入浸いりびたつて半年も帰つて来ぬ朗然和上が、法衣を着た儘三条の大橋おほはし会津方あひづがたの浪士に一刀眉間を遣られた負傷ておひの姿であつた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
自分もいつか受けた数ヵ所の負傷きずで、——斬った敵方の返り血で、全身あけに染まり、次第に迫る息を調え、だんだん衰える気力を励まし励まし、……
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この惨酷な屠殺戦では、かなり味方も傷ついたので重い負傷者の若干いくらかを土人の部落に預けて置いて、負傷きずつかない壮健の者ばかりがここまで来たということであった。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)