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負傷
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ふしやう
〔評〕兵を
治して
對抗し、互に
勝敗あり。兵士或は
負傷者の
状を爲す、
醫故に之を
診察す。兵士初め負傷者とならんことを惡む。
抑も
銃は
歩兵の
命である。
軍人精神の
結晶である。
歩兵にとつて
銃程大事な
物はない。
場合に
依つてはその
體よりも
大事である。
譬へば
戰場に
於て
我々が
負傷する。
その前に
負傷したる
敵兵三人、——
負傷は
直る、
然し、
精巧な
銃を
毀したならば、それは
直らない。
況してあの
時中根が
銃を
離して
顧みなかつたならば、
銃は
水中に
無くなつたかも
知れない。
即ち
歩兵の
命を
失つたことになる。