“ふしょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フショウ
語句割合
不肖62.5%
不祥14.6%
負傷8.3%
不承5.2%
不詳3.1%
府生2.1%
父称2.1%
鳧鐘2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
不肖ふしょうじゃございますが、この近江屋平吉おうみやへいきちも、小間物屋こそいたしておりますが、読本よみほんにかけちゃひとかどつうのつもりでございます。
戯作三昧 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
何という不祥ふしょうな出来ごとだろう。帝都の運命が累卵るいらんの危きにあるのに、その生命線を握る警備司令部に、この醜い争闘が起るとは。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
戦場で負傷ふしょうしたきずに手当てをする余裕よゆうがなくてっちゃらかしておくと、化膿かのうしてそれにうじ繁殖はんしょくする。その蛆がきれいにうみをなめつくしてきずがえる。
蛆の効用 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
それもあったし、また、さいぜんから眺めていたところでは、二た桶の焼酎しょうちゅうにも、怪しまれる点はなかった。で、不承ふしょう不承な面色だったが
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
年代は不詳ふしょうだが往古は荒巻大明神あらまきだいみょうじんといい、讃甘郷の総鎮守として、そのお宮もすぐ裏山の大段という上にあった。で、宮ノもとと称した所から、宮本と転訛てんかしたものと思われる。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
集まる人々には河内の躬恆みつね、紀の貫之、右衛門の府生ふしょう壬生忠岑ただみ、小野小町、大伴黒主はじめこの道にかけては一騎当千の名家ばかり——その中で、いよいよ小町の歌が披露されると
謡曲と画題 (新字新仮名) / 上村松園(著)
フョードル・クジミッチ・チェーチェニコフ——これがソログーブの本名ほんみょうである。フョードルは、クジミッチは父称ふしょうといって、父親ちちおや特定とくてい語尾ごびをつけて、自分じぶん併用へいようするものである。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
たとえば美作の苫田郡一宮村大字西田辺にしたなべ香々美かがみ村との境なる有木乢ありきたわには、鐘鋳場という処あって、いにしえ万福寺の鳧鐘ふしょうを鋳ると伝え(作陽志)、遠州見付の只来坂ただらいざかは『見付往来』に鐘鋳坂とあり
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)