“いや”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イヤ
語句割合
32.5%
11.5%
11.2%
9.3%
7.8%
6.3%
6.0%
可厭4.6%
2.5%
1.9%
0.7%
不快0.6%
0.5%
0.4%
0.4%
祖谷0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
不好0.1%
0.1%
嫌否0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
不可0.1%
淫猥0.1%
0.1%
卑賤0.0%
忌嫌0.0%
不厭0.0%
不吉0.0%
不祥0.0%
0.0%
卑劣0.0%
厭悪0.0%
厭惡0.0%
可嫌0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
忌避0.0%
0.0%
揖屋0.0%
楫屋0.0%
0.0%
胆屋0.0%
鄙吝0.0%
陰険0.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お高は考えてみようともせずにいやだと云いとおした、ついには部屋の隅に隠れて泣きだしたまま、なにを云っても返辞をしなかった。
日本婦道記:糸車 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
おっしゃった事がほんとうなら飛立とびたつ程嬉しいが、只今も申す通り、わしは今じゃア零落おちぶれて裏家住うらやずまいして、人力をいやしい身の上
「それ御覧な。そんなに、見たがるくせにして。それを、おいらが会いに行こうといえば、痩せ我慢して、いやに気取ってみたりして」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いやだ。いやだ。イケナイイケナイ。私から先だ私から先だ。私は香気においぎたい。花だの香木だのの芳香においが嗅ぎたい。早く早く」
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
元はいやしい黒鍬組くろくわぐみの人足頭にすぎなかったが、娘が将軍家のお手かけ者となってこのかた、俄かに引き立てられて、今では禄も千石
それが今度死んで、しかも突然に死んだものですから、検視が来るなどという騒ぎになって、近所でもいろいろのいやな噂を立てます。
彼は堪りかねて、さりげなくルバシュカに近寄つて行き、彼の吐き出すバットの煙を鼻の穴を膨らまして吸ひ取つては渇をいやした。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
何の因果で此様こん可厭いやおもいをさせられる事か、其は薩張さっぱり分らないが、唯此可厭いやおもいを忍ばなければ、学年試験に及第させて貰えない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
この類似は、彼女の衣服の飾りつけと、その色合いの選択とによって、ベアトリーチェがいやが上にも空想的気分を高めたからであった。
老大富裕国英仏が、戦後の疲れなおいやし切れなかった貧乏国ドイツに対し、ナチス政権確立後僅々数年でかくの如き劣勢に陥ったのである。
戦争史大観 (新字新仮名) / 石原莞爾(著)
自分は、金の多少より、勿論少ないことによって起された感ではあるが、受用は人をいやしくすると云ったゲーテの言葉を身に徹えて感じた。
あのお馴染の不快いやな気持——こういったものが、どうやらぼんやり記憶に残っている、彼の幼年時代の惨めな思い出であった。
いやうへに、淺葱あさぎえり引合ひきあはせて、恍惚うつとりつて、すだれけて、キレーすゐのタラ/\とひかきみかほなかれると、南無三なむさん
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いやしくも」と、渠は再び威だけ高になつて、「二等室に乘るくらゐのものなら、それくらゐの禮儀ア知つてをる筈だ。」
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
踊の玄人くろうとにしろその心のいやしさをその巧妙な手振りではおおいかくせぬものがあろう。だから、これは教養だ、人だ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
祖谷いや米良めらの藤橋は別として、いわゆる丸木橋や一本橋を両岸に繁ぐにも、必要なものは松藤または白口藤などである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「まあいやらしい! 猥らしいわ、シリオン! そんなことができるもんかしら?」と妻の声であった。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
圭子は、夫人が酒場バーを嫌うのも、新子の身を惜しんでくれればこそと感激もし、またそんなに、夫人のいやしんでいる、バーに出ている妹の代りに、顔を赤らめながら
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
怠惰屋なまけやなぞになられてたまるものか、學校がくかうくのがいやならさくらかはむかすがいか、サア如何どうこのおほたわけめ!
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
うやうやしきいやの八千度さかしらのわがひと言はゆるしぶべし。
妾の懺悔ざんげ、懺悔の苦悶これをいやすの道は、ただただ苦悶にあり。妾が天職によりて、世とおのれとの罪悪と戦うにあり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
「お倒れなすたつてよろしいぢや御座いませんか。本当に今日は不好いやな御顔色でゐらつしやるから、それがかう消えて了ふやうに、奮発して召上りましよ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
だのに、ともするとあえぎ出して参りました。名声に酔い、惑溺わくできにひきこまれ、その疲れをいやそうとします。そうしているまに近頃は悪いと知りながら肉体をこわして参ります。
梅颸の杖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
得三さん、あんまりでございます。「下枝さん貴嬢あなたも余り強情でございます。それが嫌否いやなら悉皆しっかい財産をおれに渡して、そうして⦅得三さん貴下あなたは可愛いねえ。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
形状かたちほかにおのずからいやしからぬ様あらわれて、その親切なる言葉、そもや女子おなごうれしからぬ事か。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「眼の下ヘポツリとおかしな腫物が出来て、その腫物が段々腫れ上がってくると、紫色に少し赤味がかって、爛れて膿がジクジク出ます、眼は一方は腫れ塞がって、その顔のいやな事というものは何ともいいようが無い」
『だけど私が言つたなんか言つちや不可いやよ。よ、昌作さん、貴方も伝染うつらない様に用心なさいよ。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
かくも「彼奴」にひきずられ、その淫猥いやらしい興奮を乗せて、命の続くかぎりはわれ醜骸しゅうがいに鞭をふるわねばならないということは、なんと浅間あさましいことなのであろう。
階段 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「お前の信仰はお前をいやした。」
西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
屠手として是処に使役つかはれて居る壮丁わかものは十人ばかり、いづれまがひの無い新平民——殊に卑賤いやしい手合と見えて、特色のある皮膚の色が明白あり/\と目につく。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
可羞はづかしい、とはいへ心の底から絞出しぼりだした真実まことの懴悔を聞いて、一生を卑賤いやしい穢多の子に寄せる人が有らうとは。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
小声こごゑ陰徳いんとくでも乞食こじきの足を洗ふのは忌嫌いやでございますなア。とグヅ/\ひながら、忌嫌々々いや/\足を洗つてる。
はいにもつくしましたが、此品これわたくし秘蔵ひざうでございますから、此品これだけはうも売却はなすことが忌嫌いやでございますから、只今たゞいまもつて麪桶めんつうがはりに傍離そばはなさずに使つてります。
こゑきらひなのではありません。不厭いやなどころではないんですが、おもふと、わたし悚然ぞつとします……」
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……手前の不吉いや前科こうらも知らねえでノメノメとこの船へ押しかけて来やがったのが癪にさわるんで……遠慮しやがるのが当前あたりまえだのに……ねえ……親方……
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
何だか不祥いやな事になりまして、昨年私の親父も亡なりましたが、お屋敷はあゝなったが、若様はうなされたかお行方が知れぬが、ひょっとして尋ねていらっしゃったら
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
田舎いなかの女程物見高いものは有ません。奥様が花やかな御風俗おみなりで御通りになる時は、土壁の窓から眺め、障子の穴から覗き、目と目を見合せていやな笑いかたを為るのです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
卑劣いやしい根性を持つて、可厭いやひがんだやうなことばかり言ふものが、下等人種で無くて君、何だらう。下手に社会へ突出でしやばらうなんて、其様な思想かんがへを起すのは、第一大間違さ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
色々考えると厭悪いや心地きもちがして来た。貧乏には慣れてるがお源も未だ泥棒には慣れない。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
思ひ付たり其わけと言は其方そなたも定めて知て居らん飯焚めしたきの宅兵衞は數年奉公して給金きふきん餘程よほど旦那がたに預け有る由然るに彼の宅兵衞は日頃ひごろより其方に心ある樣子やうすなれば厭惡いやで有うが如何いかにもして彼が心に隨ひ一度にても枕を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あの嫉妬家やきもちやき奉公ほうこうするのはよしゃれ。彼奴あいつ制服しきせ青白あをじろ可嫌いやいろぢゃゆゑ、阿呆あはうほかれもぬ、いでしまや。……おゝ、ありゃひめぢゃ。
雜炊ざふすゐげついたやうなにほひがぷんとはないたときしなはしつてようかとおもつて俯伏うつぶしになつてたが、すぐいやになつてしまつた。おしなうごいたのでふところ與吉よきちした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
経を考ふるに云はく、し国土に講宣かうせん読誦どくじゆ恭敬くぎやう供養くやうして此の経を流通るつうせるきみ有らば、我等が四王常に来りて擁護ゆごし、一切の灾障さいさうみな消殄せうでんせしめむ。憂愁うしう疫疾やくしつまた除きいやさしめむ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
臨死みまからむとする時、長歎息して曰く、伝へ聞く仮合けがふの身滅び易く、泡沫はうまつの命とどめ難し。所以ゆゑに千聖すでに去り、百賢留らず、況して凡愚のいやしき者、何ぞもく逃避せむ。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
それから又間もなく一知は、この村の習慣しきたりになっている物々しい婿入りの儀式を恥しがったものか、それともその式の当夜の乱暴な水祝みずいわい忌避いやがったものか
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
全く、奥様の為には廻合まわりあわせも好くない年と見えて、何かの前兆しらせのようにいやな夢ばかり御覧なさるのでした。女程心細いものは有ません。それを又た苦になさるのが病人のようでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
私達が出て行つた岸は、夜見が濱とは反對の側にある廣い入江に添うたところであつたから。陸には稻田も多かつた。畑にはすでに青い葡萄を見、長く延びた唐玉黍たうもろこしの穗をも見た。揖屋いやの驛を過ぎた。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
わが国でこの類の最も古いらしい伝説は、神代に事代主命ことしろぬしのみこと小舟で毎夜中海なかうみを渡り、楫屋いや村なる美保津姫みほつひめに通うに、鶏が暁を告ぐるを聞いて帰られた。
ところで、身体の病気を治療するには、外科、内科のいずれを問わず、医者が必要のように、精神こころの病気をいやすにも、やはり医者せんせいを要します。いずれも「先生」という医者が必要です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
軒先のおりに生きた熊を飼っているくま胆屋いやだの、獣皮を懸け並べた百獣屋ももんじやだの、木曾櫛きそぐしの店だの、ここの宿場もなかなかの雑鬧ざっとう
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鷹揚おうようにして男らしく、さっぱりとして情け深く寸分鄙吝いやしい所なき、本当に若いおとうさまのそばにいるような、そういえば肩を揺すってドシドシお歩きなさる様子
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
恋の念珠を爪繰る奴等、陰険いやな奴等は忘れたいぞえ!