“慊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あきた67.1%
あきたら8.9%
あき7.6%
いや6.3%
3.8%
こころよ2.5%
あきたらな1.3%
こころよし1.3%
こゝろよ1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「或家庭」の昔から氏の作品に親しんでゐた我々は、その頃の——「その妹」の以後のかう云ふ氏の傾向には、あきたらない所が多かつた。
あの頃の自分の事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし考へて見ると、白川はあきたらなさを思はざるを得なかつた。自分のこれほどの熱心がまだ松村を動かすに足らないのであらうか。
瘢痕 (新字旧仮名) / 平出修(著)
志「今日は臥竜梅へ梅見に出かけましたが、梅見れば方図ほうずがないというたとえの通り、あきたらず、御庭中ごていちゅう梅花ばいかを拝見いたしたく参りました」
銀之助はしづわかれて最早もう歩くのがいやになり、車を飛ばして自宅うちに帰つた。遅くなるとか、めてもいとかふさに言つたのを忘れてしまつたのである。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ところで現にアメリカでは大量生産にきかかっているではないかというものもあって、これは非常に興味がある。併しこれはソヴェトには適用しない。
ソヴェト・ロシアの素顔 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
もしもその本心に問うてこころよからざることあらば、仮令たとえ法律上に問うものなきも、何ぞ自ら省みて、これを今日に慎まざるや。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それが高利貸で成功して、池の端へ越してからのちに、醜い、口やかましい女房をあきたらなく思うようになった。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
政府は、果して論者と思想の元素をことにして、その方向まったく相反するものか。政府は、前にいえる廃藩置県以下の諸件をこころよしとせずして、論者の持張じちょうする改進の旨とまったく相戻あいもとるものか。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
〔譯〕君子は自らこゝろよくし、小人は自らあざむく。君子は自らつとめ、小人は自らつ。上たつと下たつとは、一のの字に落在らくざいす。