“卑劣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひれつ73.5%
けち8.8%
きたな5.9%
いや2.9%
さも2.9%
しみつたれ2.9%
しれつ2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
取出し夫見よ酒も肴も幾許いくらでも出せ喰倒しをするやうな卑劣ひれつの武士と思ふかこゝ盲目めくらめと云ながら百兩餘りもあらんと思はるゝ胴卷どうまき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もとより此方こちで取るはずなればりもせぬ助太刀頼んで、一人の首を二人で切るような卑劣けちなことをするにも当らないではありませぬか
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
仮令たとへ木匠こだくみの道は小なるにせよ其に一心の誠を委ね生命を懸けて、慾も大概あらましは忘れ卑劣きたなおもひも起さず、唯只鑿をもつては能く穿らんことを思ひ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
卑劣いやしい根性を持つて、可厭いやひがんだやうなことばかり言ふものが、下等人種で無くて君、何だらう。下手に社会へ突出でしやばらうなんて、其様な思想かんがへを起すのは、第一大間違さ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
此ごろ名高き誰れ彼れの奧方の縁にすがりて、今の位置をば得たりと聞ゆるも多きに、これを卑劣さもしきことゝ誹るは誹るものゝ心淺きにて、男一疋なにほどの疵かはつかん
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
床などの張換へして鉋を磨いて痩腹やせばら膨らかすやうな、意気地の無い、卑劣しみつたれな真似は、銀が眼の玉の黒いうちは、なんとしてやれぬといつた、いやだといつた。
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
「内の文さんはグッと気位が立上ってお出でだから、そんな卑劣しれつな事ア出来ないッサ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)