“念”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ねん49.8%
おも32.8%
おもい7.1%
おもひ4.6%
も1.7%
こころ1.2%
ネン0.8%
おもほ0.4%
こゝろ0.4%
ねが0.4%
よろこ0.4%
ヨロコバ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
戦争(せんそう)が、はじまって、純吉(じゅんきち)が出征(しゅっせい)に召集(しょうしゅう)されたとき、父親(ちちおや)は、ただ息子(むすこ)が、村(むら)から出(で)た友(とも)だちに引(ひ)けを取(と)らぬことを念(ねん)じたのでした。
からす (新字新仮名) / 小川未明(著)
昼間の程は勗(つと)めて籠(こも)りゐしかの両個(ふたり)の、夜に入りて後打連(うちつ)れて入浴せるを伺ひ知りし貫一は、例の益(ますま)す人目を避(さく)るならんよと念(おも)へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
この頃国勝手(くにがって)の議に同意していた人々の中(うち)、津軽家の継嗣問題のために罪を獲たものがあって、彼(かの)議を唱えた抽斎らは肩身の狭い念(おもい)をした。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
仮令(たとへ)ば木匠(こだくみ)の道は小なるにせよ其に一心の誠を委ね生命を懸けて、慾も大概(あらまし)は忘れ卑劣(きたな)き念(おもひ)も起さず、唯只鑿をもつては能く穿(ほ)らんことを思ひ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
愛(うつく)しと吾(わ)が念(も)ふ妹(いも)は早(はや)も死(し)ねやも生(い)けりとも吾(われ)に依(よ)るべしと人(ひと)の言(い)はなくに 〔巻十一・二三五五〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
彼は、古鉄砲でウンと儲けた内川から約束通りのものをせしめようと念(こころ)がけていた。今にも出してよこすか、今か、今か、と待っていた。——幹太郎は、それを知っていた。
武装せる市街 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
初午の日には、招かれて「稲荷念(ネン)じ」をする。其時は、琵琶で吼噦(コンクワイ)を弾く。此は葛の葉説教の中の文句であるが、説経を読む感じで唱へる様である。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
天平勝宝元年大仏殿において群臣に賜つた勅語にも、「食国(をすくに)天下(あめのした)をば撫で賜ひ恵(めぐ)び賜ふとなも、神ながら念(おもほ)し坐(ま)す」とある。
君臣相念 (新字旧仮名) / 亀井勝一郎(著)
弱点を持っている者に、罪をなすりつけようと念(こゝろ)がけている者があるのだ。彼は、それを思って恐ろしくなった。
穴 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
人間の心のなかに暗い思想や死を念(ねが)う気持を胚胎(はいたい)させるものだ。私はそうした事実をこれまでに幾度となく認めて来た。
太子の御母間人(はしひと)太后が崩御になり、その明年即ち推古天皇の三十年正月二十二日に、太子が御病気になられて、食事を念(よろこ)び給わず、太子の正妃
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
上宮法王枕フシレ病ニ弗(ズ)レ念(ヨロコバ)二干食ヲ一。王后仍チ以労疾ミ。並ニ着ク二於床ニ一。時王后王子等及ビ与諸臣。深懐愁毒。共相発願ス。仰デ依リ二三宝ニ一当ニレ造ル二釈像寸王身(ナルモノヲ)一。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)