“ねん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ネン
語句割合
62.6%
29.6%
3.0%
2.0%
年季0.7%
0.5%
0.2%
0.2%
0.2%
新年0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三十七ねんぐわつ十四幻翁げんおう望生ぼうせい二人ふたりとも馬籠まごめき、茶店ちやみせ荷物にもつ着物きものあづけてき、息子むすこ人夫にんぷたのんで、遺跡ゐせきむかつた。
わしはその前刻さつきからなんとなくこの婦人をんな畏敬ゐけいねんしやうじてぜんあくか、みち命令めいれいされるやうに心得こゝろえたから、いはるゝままに草履ざうり穿いた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一陽はさちなき人の上にもきたかえると聞く。願くは願くはと小野さんは日頃に念じていた。——知らぬ甲野さんはぽつねんとして机に向っている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
みずから壇の燈明とうみょうをとぼし、こうねんじ、経文一巻をよみあげる。そのあとも、氷のようなゆかの冷えもわすれきって禅那ぜんなの黙想をつづけるのだった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
年季ねんあけるといつて何處どこかへ料簡れうけん此處ここはおまへさんのうちではないか、このほかにくところもからうではないか、わからぬことふものではありませぬとしかられて
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「やあ、寝てやがら、姉様あねさんおらが嫁さんはねんねかな。」
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ばうやはいゝねんねしな。」……とくちうち子守唄こもりうたは、われながら殊勝しゆしようである。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そうして機嫌きげんの好い顔つきをして、学士のかずのこんなにえて来た今日こんにち、いくら世話をする人があろうとも、そう最初から好い地位が得られる訳のものでないという事情をねんごろに説いて聞かせた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「もっともだ」と評したのは迷亭で、「妙にったものだね」としかねたのが主人で、「やはり君、天才だよ」と敬服したのは東風君である。ただ独仙君ばかりは超然としてひげねんしている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
新年ねんあたまこしらえやうといふになつて、宗助そうすけひさぶり髮結床かみゆひどこ敷居しきゐまたいだ。くれ所爲せゐきやく大分だいぶんでゐるので、はさみおとが二三ヶしよで、同時どうじにちよき/\つた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
けだし聞く、大禹鼎だいうかなえて、神姦鬼秘しんかんきひその形を逃るるを得るなく、温嶠犀おんきょうさいねんして、水府竜宮すいふりゅうぐうともその状を現すを得たりと。れ幽明の異趣、すなわ詭怪きかい多端たたんこれえば人に利あらず。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
柳さくらをこきまぜて、都は花のやよい空、錦繍きんしゅうき、らんまん馥郁ふくいくとして莽蒼ぼうそう四野も香国こうこく芳塘ほうとうならずというところなし。燕子えんし風にひるがえり蜂蝶ほうちょう花にねんす。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
この我がおしえおぼえて決してそむくことなかれとねんごろにいましめ諭して現世このよりければ、兄弟共に父の遺訓にしたがひて互ひに助けあひつつ安楽に日をくらしけり。
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)