年季ねん)” の例文
年季ねんが明るといつて何処へ帰る了簡れうけん、此処はお前さんの家では無いか、このほかに行くところも無からうでは無いか、分らぬ事を言ふ物ではありませぬとしかられて
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
年季ねんあけるといつて何處どこかへ料簡れうけん此處ここはおまへさんのうちではないか、このほかにくところもからうではないか、わからぬことふものではありませぬとしかられて
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今日は私の年季ねんが明まするか、歸る事が出來るで御座んせうかとて問ひかけるに、年季が明るといつて何處へ歸る了簡、此處はお前さんの家では無いか、此ほかに行くところも無からうでは無いか
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
附そひの女がかゆの膳を持来たりて召上りますかと問へば、嫌や嫌やとつむりをふりて意気地もなく母の膝へ寄そひしが、今日は私の年季ねんが明まするか、帰る事が出来るで御座んせうかとて問ひかけるに
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つきそひのをんなかゆぜん持來もちきたりて召上めしあがりますかとへば、いや/\とかぶりをふりて意氣地いくぢもなくはゝひざよりそひしが、今日けふわたし年季ねんあきまするか、かへこと出來できるで御座ござんしやうかとてひかけるに
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)