ねん)” の例文
(七)舜禹しゆんうあひだ(八)岳牧がくぼくみなすすむ。すなはこれ(九)くらゐこころみ、しよくつかさどらしむることすうねん(一〇)功用こうようすでおこり、しかのちまつりごとさづく。
三十七ねんぐわつ十四幻翁げんおう望生ぼうせい二人ふたりとも馬籠まごめき、茶店ちやみせ荷物にもつ着物きものあづけてき、息子むすこ人夫にんぷたのんで、遺跡ゐせきむかつた。
ねんじゅうがそうであり、百ねんあいだが、そうであったにちがいない。そしてこの山々やまやまは、むかしも、いまも、永久えいきゅうにだまっているのでした。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ほんとうにかみながくおなりだこと。せめてもう二、三ねん長生ながいきをして、あなたのすっかり大人おとなになったところをたかった。」
鉢かつぎ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
大正たいしやうねんの一ぐわつ十五にちまでに全國ぜんこく郵便局いうびんきよく取扱とりあつかつた年賀葉書ねんがはがき總數そうすうは三千四百五十六まん七千八百九十九まいといふ統計とうけいしめされてる。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
一と月ほど前に、吉原なかねんがあけて、この二、三軒先の付木屋つけぎやの息子といっしょになったばかりの、これでも花恥ずかしい花嫁さま。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
可愛かはいさうに景氣けいきのよいこゑ肺臟はいざうからこゑいたのは十ねんぶりのやうながして、自分じぶんおもはず立上たちあがつた。れば友人いうじんM君エムくんである。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
さて、三ねんまへ、……ちがひます。なれども、おな霜月しもつきさり、ちやうおないま時刻じこくわれらにもお前樣まへさまおなことがありました。……
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
其頃そのころ東京とうきやういへたゝむとき、ふところにしてかねは、ほとんど使つかたしてゐた。かれ福岡ふくをか生活せいくわつ前後ぜんごねんつうじて、中々なか/\苦鬪くとうであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ぼく、このあそびをおぼえてから足掛あしかけ五ねんになるが、食事しよくじ時間じかんだけはべつとしてたゝかひつづけたレコオドはやく三十時間じかんといふのが最長さいちやうだ。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
そんなことをしているあいだに、かねをのせた牛車ぎゅうしゃはもうしんたのむねをおりてしまっていた。五ねん以上いじょうものは、がせいてたまらなかった。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
... かける所存、いがみと見た故、油断して、一ぺえくつてけえりしは」といひ「禍も三年と、悪い性根のねんの明き時」をちよぼに預け
しか比較的ひかくてき※去くわこの三ねんわたくしためにはしのやすかつたよ、イヤ、其間そのあひだには隨分ずゐぶん諸君しよくんには想像さうざう出來できないほど面白おもしろこと澤山たくさんあつた。
「よくくおまえはなしでは、千きちとやらいうにいさんは、まる三ねん行方ゆくえれずになっていたとか。——それがまた、どうしてきゅうに。——」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
『ジャン・クリストフ』の作者さくしゃロマン・ローランは、西暦せいれき千八百六十六ねんフランスにまれて、現在げんざいではスウィスの山間さんかんんでいます。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
二十五年間ねんかん教育きょういくつくしてしょく退しりぞいたのち創作そうさくこころをうちこんで、千九百二十七ねんになくなるまで、じつに二十かん著作ちょさくのこした。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
さく三十七ねん十二ぐわつ某夜ばうやことなりき、れいごと灌水くわんすゐへてじよくねむりきしもなく、何者なにものきたりて七福しちふくあたふとげたりとゆめむ。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
竹村たけむらは一ねんたつかたゝないうちに、大久保おほくぼかへつてたのに失望しつばうしたが、大久保おほくぼ帰朝きてうさびしかつたことも、すくなからずかれいたましめた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
地震直後ぢしんちよくごから大正たいしやう十三四ねんごろまでのやうに十ドル以上いじやうさがつたこともあるけれども、平均へいきんしてづ四乃至ないしさがつてると状況じやうきやうである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
諭吉ゆきちのまちのぞんでいたときが、やがておとずれました。それは、諭吉ゆきちが二十一さいとなった、安政あんせいがん(一八五四)ねんがつのことでした。
丈「いや実にどうもしばらくであった、どうしたかと思っていたが、しちねん以来このかたなん音信おとずれもないから様子がとんと分らんで心配して居ったのよ」
むかしむかし大昔おおむかしいまから二千ねんまえのこと、一人ひとり金持かねもちがあって、うつくしい、気立きだてい、おかみさんをってました。
さういふてん世界せかいにとゞくやうな、空気くうき稀薄うすいところでは、あれあれといふもなく、千ねんぐらゐ年月としつきながれてしまふさうだ。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
もしもし、つばめさん、おまへさんは一ねんに一づゝ、このむらるではありませんか。とほくにはうつてて、日本にほん言葉ことばわすれたのですか。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しかしたゞひといまから四十年前しじゆうねんぜん(一八九二ねん)にオランダの軍醫ぐんいデヨボアといふひとが、南洋なんようジャヷ島とうのトリニールといふところ發見はつけんしたほね
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
むろん例外れいがいはありましょうが、現在げんざいでは数百年前すうひゃくねんぜん乃至ないしねん二千ねんぜん帰幽きゆうした人霊じんれいが、守護霊しゅごれいとしておもはたらいているように見受みうけられます。
又下町の大通のやうにねん年中ねんぢゆう、水道と瓦斯ガス溝掃除どぶさうぢで、掘り返されてもゐないので、全く歩くべき道として、静に心安く歩くことが出来る。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
とんことさ。』と、ミハイル、アウエリヤヌヰチは聽入きゝいれぬ。『ワルシヤワこそきみせにやならん、ぼくが五ねん幸福かうふく生涯しやうがいおくつたところだ。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あからめイヱ/\五ヶねん前私し在所ざいしよ柏原の宿へ一夜とまりたれども其節そのせつ父銀五郎病中にて私しは十二さい一夜の旅宿はたごいかで然樣さやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
地震ぢしんがあってからちゃう最早もう十一年目ねんめ……わすれもしませぬ……一ねん三百六十にちうちで、はい、其日そのひ乳離ちばなれをなされました。
こういうと、若い神官たちは、べつになにかいそぐ目的もくてきがあるらしく、ばらばらと千ねん山毛欅ぶなもとへかけあつまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ねんばかりまへにうせたる先妻せんさいはらにぬひとばれて、いま奧樣おくさまにはまゝなるあり、桂次けいじがはじめてときは十四か三か、唐人髷とうじんまげあかれかけて
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
與吉よきちが三つにつたのでおつぎはよそ奉公ほうこうすことに夫婦ふうふあひだには決定けつていされた。ころ十五のをんなでは一ねん給金きふきん精々せい/″\ゑんぐらゐのものであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ねんが明けていつ帰れることやらと思いますと、それがかわいそうになりまして、つい、どうも、お耳ざわりになって、相済みませんことでございます
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ひろはれてまゐつてから三ねんほどちましたとき食堂しよくだう上座じやうざざうかうげたり、燈明とうみやうげたり、そのほかそなへものをさせたりいたしましたさうでございます。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
何をいいやがる、女房が死んでメソメソするようなお人柄じゃねえよ。ねんが明けて品川から駆け込んだのは三年前だ。
場所ばしょは、岡山市おかやまし郊外こうがいちかいMまちで、被害者ひがいしゃは、四ねんほどまえまで質屋しちやをやつていて、かたわら高利貸こうりかしでもあつたそうだが、目下もっか表向おもてむ無職むしょくであつて
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
すぐ支那しなの方へ往ってそのねんまで内地に帰って来なかったので、うっすらした輪廓りんかくが残っているだけであった。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
たとへば年紀ねんきしるすのに、日本にほんではねんげつだいよりせうり、歐米おうべいでは、げつねんぎやくせうよりだいる。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
そのうちに、ふと、こんなにじぶんが書けないのは、ねんがらねんじゅう、かべだの街路がいろだのしか目にはいらない、こういう町なかにいるからじゃないだろうか。
而も争論そうろんは何時も要領をずにをはつて、何時までも底止とめどなく同じことを繰返くりかへされてゐるのであツた。そしてグヅグヅの間に一ねん二年と經過けいくわして今日こんにちとなツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
一休いっきゅうさんの うまれたのは おうえいがんねん、いまから ざっと 五ひゃく六十ねんばかり まえの ことです。
一休さん (新字新仮名) / 五十公野清一(著)
辞書には「セプテンニス・プソリアアジス」は七ねんがさの事なりと、氷のやうにつめたい解釈がのつてゐた。
長袖ながそであしにも肉刺まめ出來できることはあるまいとおもつて、玄竹げんちくほとんど二十ねんりで草鞋わらぢ穿いたのであつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
御行 でしょう?……いや、これは私が、このねんに一度の葵祭あおいまつりの吉日を選んで、皆さんを喜ばせて上げようと思って、一月も前から考えていたことなのですよ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
わらくずなど、み散らしじくじく湿しめっていて、ねんじゅうぬかるみの絶えないような低湿ていしつな小路である。
落穂 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
徳蔵の女房は吉原の河岸店かしみせの勤めあがりで、ねんあきの後に、徳蔵のところへころげ込んで来たのである。
半七捕物帳:13 弁天娘 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お前のねんが明ける時にや、相当のことはするからね、私だつていつもイライラしてゐるから、恵ちやんにだつて、つい口ぎたない事を言つたりするけど、そりや——。
疵だらけのお秋 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
人目ひとめ附易つきやす天井裏てんじやうゝらかゝげたる熊手くまでによりて、一ねん若干そくばく福利ふくりまねべしとせばたふせ/\のかずあるのろひの今日こんにちおいて、そはあまりに公明こうめいしつしたるものにあらずや
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
のんべえ ものんべえ もおそろしいのんべえ がありました。そのいへでは、それがために一ねんの三百六十五にちを、三百にちぐらゐはかなら喧嘩けんくわつぶすことになつてゐました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)