“巻”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
52.2%
まき28.3%
かん7.8%
まい4.4%
けんの1.1%
くわん1.1%
まか1.1%
まきの1.1%
がん0.6%
けん0.6%
まく0.6%
0.6%
マキ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
きゲートルをして、地下足袋じかたびをはいて、くろ帽子ぼうしかぶっていました。小泉こいずみくんは、ほかへをとられて、ぼくづきませんでした。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
仲平はまきをおいて、徳利の酒をうまそうに飲んで寝るのであった。なか一年おいて、二十三になったとき、故郷の兄文治が死んだ。
安井夫人 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
老公の頬に、すこしくれないがさした。かん紐爪ひもづめを解き、くるくると繰りひろげる。らんとした眼がずうっと、それに、並ぶ名を一瞥いちべつした。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まだ、朝早あさまだき、天守てんしゆうへからをかけてかたちくもむらがつて、処々ところ/″\物凄ものすさまじくうづまいて、あられほとばしつてさうなのは、かぜうごかすのではない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
補遺のけんの一である。中井董堂が五山に語つた董堂と江芸閣こううんかくとの応酬の事が即是で、梅泉が其間に立つて介者となつてゐるのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
翁は画集を喜んでしばらくわんを放たずに眺め込み、蕙斎けいさいの略伝を問うたのち、日本人の名は覚えにくいからと云つて画集のすゑに作者と水落君との名を記す事を望まれた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
それで要するに私の級がかちになって、皆は私を擁して喜んだが、そのかえりがけ一人になったところを、米村一派の連中から取りまかれて、散々さんざんになぐられたのだった。
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
抽斎は有合せの道春点どうしゅんてんの『論語』を取り出させて、まきの七を開いた。そして「子貢問曰しこうといていわく何如斯可謂之土矣いかなるをかこれこれをしというべき」という所から講じ始めた。もとより朱註をば顧みない。すべて古義に従って縦説横説した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
大學頭様は五経の内の礼記らいきと申す書物をお取寄せになりまして、第三がん目の檀弓だんぐうと申す篇の一節ひとくだりを御覧に入れて、御講釈を申上げられました。
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わたくしはまた後に五弓雪窓ごきゅうせっそうがこの文を『事実文編じじつぶんぺんけんの七十二に収めているのを知った。国書刊行会本をけみするに、誤脱はないようである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ある日強い南風が吹きまくって、松と槙との枝をたわむばかりに振り動かした。彼の巣もともに動揺した。巣の一部分は大きな魚に食い破られた網のようにけてしまった。
二階から (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「あの片手の侍は、よっぽど腕がたつと見えるぜ。取りえてる連中の、ハッハッハという息づかいが、ここまで聞こえてくるようだ」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「毒消しはこれを一握りほどグッとのむとフツカヨイにはよくきくねえ。しかし、毒消しの本拠はどこだろうな。たぶん、マキだろう」