“迸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほとばし76.0%
ほとば14.7%
はし4.2%
ほと2.2%
ほどばし1.0%
ホトバシ0.3%
とばし0.3%
そばづえ0.3%
とばしり0.3%
はとばし0.3%
ほとばしり0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ほとんど腐朽に瀕した肉体を抱えてあれだけの戦闘と事業を遂行した巨人のヴァイタルフォースのかまどからほとばしる火花の一片二片として
子規の追憶 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
經濟の苦しみに對する義男への輕薄な女の侮蔑が、こんなところにもそのほとばしりを見せたものとしきや義男には解されなかつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
舟は桃花村のある方へ白い水脈をひいて、目ぐるわしくはしった。眠元朗の目は湿うるおうてそのもてあそぶ砂は手のひらを力なげにこぼれた。
みずうみ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
彼と、一緒に歩哨に立っていて、夕方、不意に、胸から血潮をほとばしらして、倒れた男もあった。坂本という姓だった。
渦巻ける烏の群 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
遠い所でかう云つた畑尾のこひが鏡子の耳に響いた。ほどばしるやうないきほひで涙の出て来たのはこれと同時であつた。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
忘れたい歌の文句が、はつきりと意味を持つて、姫の唱へぬ口の詞から、胸にとほつて響く。乳房からホトバシり出ようとするときめき。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
本艦ほんかんこれおうじて手始てはじめには八インチ速射砲そくしやほうつゞいて打出うちだ機關砲きくわんほうつきさんたり、月下げつか海上かいじやう砲火ほうくわとばしり、硝煙せうゑん朦朧もうらう立昇たちのぼ光景くわうけいは、むかしがたりのタラントわん夜戰やせんもかくやとおもはるゝばかり。
六月一日の銀行ギャング事件のそばづえを恐れて東京へ逃避し、三日のあいだ葵の部屋に潜伏していた。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
泥か何かのとばしりがついた跡ででもあるやうに、小黒くにじんでゐる。あとでそつと摘み洗ひにして見よう。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
その観念は、「存在」の底深いところから、識域を越えたはるかの彼方かなたから、にわかにはとばしり出て来るのだった。
あらゆる防水ぼうすい方便てだてつくされたが、微塵みぢん打碎うちくだかれたる屹水下きつすいかからは海潮かいてうたきごとほとばしりつて、その近傍きんぼうにはこと出來できない。十だい喞筒ポンプは、全力ぜんりよくみづ吐出はきだしてるがなん效能こうのうもない。