“慘”のいろいろな読み方と例文
新字:
読み方割合
むご35.5%
みじ22.6%
いた12.9%
さん12.9%
いたま9.7%
いたは3.2%
むごた3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あんなむごたらしい目に逢はせた、惡者を擧げて下さいますやうに。私はもう、喉笛のどぶえへ噛み付いてやりたいやうな心持になつて居ります
銭形平次捕物控:180 罠 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
さうして、その人たちと一緒にゐた時は、隨分みじめだつた。その小さな孃さんのほかには、彼女は、たつたひとりで住んでゐるのかしら。
否、それに忍從にんじうし、それに屈伏くつぷくして、いたましき二重の生活を續けて行く外に此の世に生きる方法を有たないではないか。
歌のいろ/\ (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
何しろうでぱいのところを見せて、すくなくとも日本の洋畫界やうぐわかいに一生面せいめんひらかうといふ野心やしんであツたから、其の用意、其の苦心くしん、實にさん憺たるものであツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
原口はらぐちたき、いはれあり、さんぬる八日やうか大雨たいう暗夜あんや、十ぎて春鴻子しゆんこうしきたる、くるまよりづるに、かほいろいたましくひたりて、みちなる大瀧おほたきおそろしかりきと。
逗子だより (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
過れば一望の原野開墾年々とし/″\にとゞきて田畑多しこれ古戰塲桔梗きゝやうはら雨持つ空暗く風いたはし六十三塚など小さき丘に殘れり當年の矢叫びときの聲必竟ひつきやう何の爲ぞ
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
けたゝましく音を立てて燃える松明まつの光は、一しきり赤くゆらぎながら、忽ち狹いはこの中を鮮かに照し出しましたが、𨋳とこの上にむごたらしく、鎖にかけられた女房は——あゝ、誰か見違へを致しませう。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)