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大瀧
読み方 | 割合 |
おほたき | 60.0% |
おほだき | 40.0% |
原口の
瀧、いはれあり、
去ぬる
八日大雨の
暗夜、十
時を
過ぎて
春鴻子來る、
俥より
出づるに、
顏の
色慘しく
濡れ
漬りて、
路なる
大瀧恐しかりきと。
やがて、
川の
幅一
杯に、
森々、
淙々として、
却つて、また
音もなく
落つる
銚子口の
大瀧の
上を
渡つた
時は、
雲もまた
晴れて、
紫陽花の
影を
空に、
釣舟草に、ゆら/\と
乗心地も
夢かと
思ふ。
怪火に
映る、
其の
大瀧の
雪は、
目の
前なる、ヅツンと
重い、
大な
山の
頂から
一雪崩れに
落ちて
來るやうにも
見えました。
微笑を
含みて
讀みもてゆく、
心は
大瀧にあたりて
濁世の
垢を
流さんとせし、
某の
上人がためしにも
同じく、
戀人が
涙の
文字は
幾筋の
瀧の
迸りにも
似て、
失はん
心弱き
女子ならば。