“漬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
51.9%
つか24.8%
づけ6.8%
ひた6.8%
つけ3.8%
2.3%
2.3%
0.8%
ヒタ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふと、ある日、菜の花のおけものがございますかとAさんにお目にかかつたとき、關西かみがたの郊外の話から、お訊ねしたことがあつた。
春宵戯語 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
それだのに早くから文学にはまって始終空想のうちつかっていたから、人間がふやけて、秩序だらしがなくなって、真面目になれなかったのだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
予往年大英博物館で、この蛙アルコールづけを見しに、その蹼他の蛙輩のよりすぐれて大なるのみ、決して図で見るほどおおきになかった。
空にそびえている山々の巓は、この時あざやかな紅に染まる。そしてあちこちにある樅の木立は次第に濃くなる鼠色ねずみいろひたされて行く。
木精 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
茶につけてやっと一椀の飯を済した跡で見れば、最初一寸口をつけた椀の物の外の、白い方の魚軒さしみ二片ふたきれ程箸に懸ったばかりだ。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
と言いながらおいに杯を勧めなどしているうちに暗くなったのでが運ばれ、湯け、菓子などが皆の前へ出て食事が始まった。姫君はもうあちらへ帰してしまったのである。
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)
浸しては晒し、晒しては水にでた幾日の後、筵の上で槌の音高く、こも/″\、交々コモヾヽと叩き柔らげた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
浸してはさらし、晒しては水にでた幾日の後、むしろの上でつちの音高く、こもごも、交々こもごもと叩き柔らげた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
尊、御輿を停めて、水を翫び、手を洗ひ給うた故に、御衣の袖が泉に垂れて沾れた、即ち、袖をヒタす義に依つて、此国の名としたと言ふのである。
古代中世言語論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)