“新漬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しんづけ66.7%
しんづ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
声のでっかいガラッ八が、精一杯の威儀を作っておとなうと、町内中の新漬しんづけの味に響くようなダミ声で、ドーレと来るべきはずの段取りを、どう間違えたか
我国の膳部ぜんぶにおけるや食器の質とその色彩紋様もんよう如何いかんによりてその趣全く変化す。夏には夏冬には冬らしき盃盤はいばんを要す。たれまぐろの刺身を赤き九谷くたにの皿に盛り新漬しんづけ香物こうのもの蒔絵まきえの椀に盛るものあらんや。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
胡瓜きゅうりもみに青紫蘇あおじそ。枝豆。到来物のたたみいわし。それに茄子なす新漬しんづけ。飯の時にとろろじる。すべてお玉の手料理の物で、金兵衛は夕飯に吉左衛門を招いた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
これまでに味わったことのない新漬しんづけや、かなり複雑な味の煮物などがいつも餉台ちゃぶだいのうえに絶えなかった。長いあいだ情味にかわいた生活を続けて来た笹村には、それがその日その日の色彩いろどりでもあった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)