“盃盤”の読み方と例文
読み方割合
はいばん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
中はまことに慘憺さんたんたる有樣で、檢屍前の死骸は、僅かに隣りの部屋に取込んでありますが、盃盤はいばんと血潮と、手のつけやうのない混亂です。
道を転じて静緒は雲帯橋うんたいきようの在るかたへ導けり。橋に出づれば正面の書院を望むべく、はや所狭ところせまきまで盃盤はいばんつらねたるも見えて、夫は席に着きゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
く息さえも苦しくまた頼もしかった時だ——「鬼よ、羅刹らせつよ、夜叉の首よ、われを夜伽よとぎの霊の影か……闇の盃盤はいばん闇を盛りて、われは底なき闇に沈む」
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)