新漬しんづけ)” の例文
声のでっかいガラッ八が、精一杯の威儀を作っておとなうと、町内中の新漬しんづけの味に響くようなダミ声で、ドーレと来るべきはずの段取りを、どう間違えたか
我国の膳部ぜんぶにおけるや食器の質とその色彩紋様もんよう如何いかんによりてその趣全く変化す。夏には夏冬には冬らしき盃盤はいばんを要す。たれまぐろの刺身を赤き九谷くたにの皿に盛り新漬しんづけ香物こうのもの蒔絵まきえの椀に盛るものあらんや。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
主個の老人らうじん押禁おしとゞめ彌生と言ど未だ寒きに冷酒れいしゆ身體からだどくなればツイあたゝめて差上んと娘に吩咐いひつけ温めさせ料理は御持參ごぢさんなされたれば此方で馳走ちそう爲樣しやうもなし責て新漬しんづけ香物かうのものなりともと言へば娘は心得こゝろえて出して與ふる饗應振もてなしぶり此方は主個に酒盞さかづき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それから新漬しんづけ蕪菁かぶもある。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)