“香物”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうのもの55.0%
こう/\25.0%
かうもつ5.0%
こうこ5.0%
こうもの5.0%
においもの5.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やっとの事で薄暗いランプの下に、煮豆に、香物こうのものねぎと魚の骨を煮込んだおさいが並べられ、指の跡のついた飯櫃おはちが出る。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そうして、ふたのとられた行器ほかいの中には、新鮮な杉菜すぎなに抱かれた鹿や猪の肉の香物こうのものが高々と盛られてあった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
「ただの香物こうのものでも、こうして煮ると皆がくけえ、これは煮茎じゃのうて煮ずきじゃ」などと言って面白がっていた。
私の父 (新字新仮名) / 堺利彦(著)
さ「えゝあたしア是まで寸白すばくを知りませんよ、それに此間こないだは又結構なお香物こう/\をくだすって有難うございました、あれさ、お重ねよう」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
少しばかり散財ざんざいを仕ようと、味噌吸物みそずいものに菜のひたし物香物こう/\沢山だくさんという酷いあつらえもので
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
香物こう/\いのを持って来るように然う云ってくんな、あれさ家のは臭くていけないから、これさ人のいう事を宜く聞きなよ、それからお菓子を、なに落雁じゃアないよ
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
シバの女王がソロモン王に贈りたるが如き香物かうもつはいまだ曾てあらざりしなり。
乾あんず (新字旧仮名) / 片山広子(著)
シバの女王ソロモンの風聞うはさをきき、難問をもつてソロモンを試みんと甚だ多くの部従ともまはりをしたがへ香物かうもつとおびただしき金と宝石とを駱駝に負せてエルサレムに来たり、ソロモンの許に至りてその心にあるところを悉く陳べけるに、ソロモンこれが問にことごとく答へたり。
乾あんず (新字旧仮名) / 片山広子(著)
皿に切ってありますが、これは東京で云えば鯛の浜焼が付くとか何とか云うので、何もなければ玉子焼だ、何だろうか、薄く切ったものが並んであるが、東京の者と見て気取りやがったんだ、何だかこれを一つって見よう……婆さん灯火あかりを早く此処へ持って来て……何だ奈良漬の香物こうこか、これは妙だ
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
沙漠の旅は夜においてすものなれば、あるいは明月煌々こうこうたるの夕、あるいは星斗闌干せいとらんかんたるの夜、一隊の隊旅キャラバン香物こうものかおりを風にただよわせながら、悩める友を見舞わんと鈴打ち鳴らして進む光景は実に絶好の画題である。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
麝猫じゃびょうとて猫のような形の香物においものを持って居る動物もあるそうですけれども、チベットのはそうでなくて一種の鹿の類です。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)