“こうこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
後顧41.1%
江湖16.1%
曠古10.7%
好個8.9%
好箇5.4%
好乎3.6%
好古3.6%
篁子1.8%
考古1.8%
勾股1.8%
浩乎1.8%
香物1.8%
高古1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
信長が志業を中央へべる始めに、その後顧こうこたる三河の家康を説いて、織徳しょくとく同盟を成功に導いた彼の功は信長も大きく買っていたらしい。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
椽側えんがわから拝見すると、向うは茂った森で、ここに往む先生は野中の一軒家に、無名の猫を友にして日月じつげつを送る江湖こうこ処士しょしであるかのごとき感がある。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その夜、石舟斎は、一族や家臣を呼びあつめて、家康の内書を披露ひろうした。もとより石舟斎自身も、年こそよれ出陣して、曠古こうこの大戦に加わる意気であった。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
動物や植物の世界、星辰の世界、人類生息の社会も亦好個こうこ実験(此場合では観測)の室である。
洪川禅師のことども (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
ともかくもこの植物が東方列島の風土にふさわず、一度も芽を吹き親木を成長せしめ得なかったということが、もれたる海上の道を探るうえに、好箇こうこ手掛てがかりを供与する。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
あの簡素に見える苗代川の黒物には、叡智にあふれた自然の縮図が見える。そこには人智に余る摂理が奥深く動いている。その黒物こそは凡ての陶工たちにとって、解かねばならぬ好乎こうこの公案である。
苗代川の黒物 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
じつ好古こうこきもきよくす。
もしかすると、坊やと同じような子供が、パパといってその中から飛び出して来るかわかりません。篁子こうこちゃんも来ているか知れません。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
また紅い芙蓉ふようや黄のカンナを、妻と二人の子を、その一人は生れてやっと一と月にしかならぬ篁子こうこのことを
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
各々おの/\その題目だいもくについてほか先生方せんせいがたはなされることになつてをりますから、わたし第一だいゝち美術びじゆつ歴史れきし考古こうこかんする博物館はくぶつかんうち、たゞ考古學こうこがくかんする博物館はくぶつかんのおはなしをこれからいたしませう。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
博物館はくぶつかん大別たいべつすると、美術びじゆつ歴史れきし考古こうこかんする品物しなもの陳列ちんれつした博物館はくぶつかんと、博物はくぶつ理科りか方面ほうめん品物しなものあつめた科學博物館かがくはくぶつかんふたつの種類しゆるい區別くべつせられることはまへにもべたとほりでありますが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
走ることは走るといったところで、こっちは勾股こうこを念入りに曲って走っている間に、あっちはげんを直走して先廻りと来りゃ、網にひっかかるのはあたりまえ、こっちの抜かりじゃあねえ
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しかして中央アジアの平原大野は渺茫びょうぼうとして限りなくはるかにゲルマン、オランダの中腹に連なり、浩乎こうことしてその津涯しんがいを知らず。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
何だかこれを一つって見よう……婆さん灯火あかりを早く此処へ持って来て……何だ奈良漬の香物こうこか、これは妙だ、奈良漬の焼魚代やきものがわりは不思議、ずーッと並べたのはいな
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
元義は終始万葉調を学ばんとしたるがためにその格調の高古こうこにしていささかの俗気なきと共にその趣向は平淡にして変化に乏しきの感あり。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)