“うしろぐら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
後暗93.8%
後顧6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(やあ、ご坊様ぼうさま。)といわれたから、時が時なり、心も心、後暗うしろぐらいので喫驚びっくりして見ると、閻王えんおう使つかいではない、これが親仁おやじ
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その日も昨日きのふと同じに雪が降りつづき、銀世界と化した街に、この家ばかりはじめ/\と後暗うしろぐらい雰囲気にぢ込められ、底知れぬ恐れと不安に充たされてゐた。
父の帰宅 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)
予も何となく後顧うしろぐらき心地して、人もや見んとあやぶみつつ今一息と踏張ふんばる機会に、提灯の火を揺消ゆりけしたり。黒白こくびゃくも分かぬ闇夜となりぬ。予は茫然として自失したりき。時に遠く一点の火光あかりを認めつ。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)