“後暗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うしろぐら65.2%
うしろくら13.0%
うしろめた13.0%
あとくら4.3%
うしろぐれ4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
前後の事情から考えて見てもこの疑問の渡欧費は全部が本屋から調達したのでなくとも、後暗うしろぐらい金の出場でばが別にあったとは思われない。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
三笠山は何か後暗うしろくらい事でもしたやうにくろずんだ春日の杜影もりかげに円い頭をすぼめて引つ込んでゐた。
無学なお月様 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
祖母としよりそばでも、小さな弟と一所でも、胸に思うのもはばかられる。……寝て一人の時さえ、夜着の袖をかぶらなければ、心に描くのが後暗うしろめたい。……
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
くるわにてわかい者と云私し宅に五ヶ年の間相勤あひつとめます中少しも後暗あとくらきこともなく實に正直しやうぢき正路しやうろの者なりと言ければ大岡殿は其傳吉事奉公ほうこう中給金其外にて百五十兩程たくはへ其元そのもとへ預け歸國の節持返もちかへりしと申が然樣成や四郎左衞門如何にも五ヶ年の内にわたくしへ百廿兩あづけ置歸國のせつ其金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「はて、そのほかには、別に人に聞かれて後暗うしろぐれえようなことをした覚えはねえのだが」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)