“窄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すぼ57.0%
せま20.9%
つぼ10.5%
せば3.5%
せばま3.5%
1.2%
すく1.2%
すぼま1.2%
せまく1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
酒場の前を曲って遊園地の横手へ出ると、擦り切れた箒子ほうきを傍に立かけて、呆乎ぼんやり鉄柵に凭りかかっていた見すぼらしい様子をした老人が
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
同情を呈する事あたはず、いはんや、気宇かめの如くせまき攘夷思想の一流と感を共にする事、余輩の断じて為すこと能はざるところなり。
一種の攘夷思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
佐佐木氏は、三十一文字みそひともじの講釈と、ビスケツトを食べるために、母親おふくろが態々産みつけたらしい口もとをつぼめて言つた。夏目博士はにやりとした。
背をかがめ身をせばめでは入ること叶わざるまで口は狭きに、行くては日の光の洩るる隙もなく真黒にして、まことに人の世の声も風も通わざるべきありさま
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
更に見よ、漆のやうに鮮潤つややかなりし髪は、後脳のあたり若干そくばくの白きをまじへて、額に催せししわの一筋長くよこたはれるぞ、その心のせばまれるひだならざるべき、いはんや彼のおもておほへる蔭はますます暗きにあらずや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
狭心症ノ発作ニ似タ痛ミガ激シク胸ヲメツケタ。………アレカラ既ニ二時間以上経ッテイル筈ダガ、マダ血壓ガ下ラナイト見エル。
瘋癲老人日記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
と指井が又肩をすくめて眼鏡の下から笑ひながら言つた。色の白い、口髭の生えた、立派な男ではあるけれど、何處か恁う奧のあるやうな、厭なところがある。
媒介者 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
すぼまった谷底にいた彼らにとって、朝は、ふたのようにかぶさる頭上の霧からゆっくり近づいていた。流れに沿って歩く彼らの足は速かった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
いのちに至る路はせまく、その門はちいさし。その路を得るものまれなり」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)