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窄
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せま
ふりがな文庫
“
窄
(
せま
)” の例文
同情を呈する事
能
(
あた
)
はず、
況
(
いは
)
んや、気宇
甕
(
かめ
)
の如く
窄
(
せま
)
き攘夷思想の一流と感を共にする事、余輩の断じて為すこと能はざるところなり。
一種の攘夷思想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
「基督も『
窄
(
せま
)
き門より
入
(
い
)
れよ』と仰有つたぢやないか、お前達がこんな
杖
(
ステツキ
)
なぞ持つてたら窄い門を入るのに邪魔にならあ。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
径路
(
けいろ
)
窄
(
せま
)
きところは、一歩を留めて、人に行かしめ、
滋味
(
じみ
)
濃
(
こまや
)
かなるものは、三分を減じて人に
譲
(
ゆず
)
りて
嗜
(
たしな
)
ましむ、これは
是
(
こ
)
れ、世を
渉
(
わた
)
る一の
極安楽法
(
ごくあんらくほう
)
なり」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
去年の出水には、石狩川が崖上の道路を越して鑛泉宿まで來たさうだ。此
窄
(
せま
)
い山の峽を深さ二丈も其上もある泥水が怒號して押下つた當時の凄じさが思はれる。
熊の足跡
(旧字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「君みたいに、
窄
(
せま
)
い道、窄い道と辿ってゆく人を、僕は今までに見なかったし、今後も再び見ないだろう」
二十歳のエチュード
(新字新仮名)
/
原口統三
(著)
▼ もっと見る
去年の出水には、石狩川が
崖上
(
がけうえ
)
の道路を越して鉱泉宿まで来たそうだ。
此
(
この
)
窄
(
せま
)
い山の
峡
(
かい
)
を深さ二丈も其上もある泥水が
怒号
(
どごう
)
して押下った当時の
凄
(
すさま
)
じさが思われる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
寒さを
凌
(
しの
)
いだ、針葉樹の切崖で囲んだ、瓶のように
窄
(
せま
)
い谷底からは、天も谷川ほどの細さで流れている。
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
脅かすように突立った
窄
(
せま
)
い岩壁の間を少し左に行くと、谷は俄然右に開けてまた長い雪渓が始まる。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
濁醪
(
どぶろく
)
を
引掛
(
ひつか
)
ける者が
大福
(
だいふく
)
を
頬張
(
ほゝば
)
る者を
笑
(
わら
)
ひ
売色
(
ばいしよく
)
に
現
(
うつゝ
)
を
抜
(
ぬ
)
かす者が
女房
(
にようばう
)
にデレる
鼻垂
(
はなたらし
)
を
嘲
(
あざけ
)
る、之れ皆
他
(
ひと
)
の
鼻
(
はな
)
の
穴
(
あな
)
の
広
(
ひろ
)
きを
知
(
しつ
)
て
我
(
わ
)
が
尻
(
しり
)
の
穴
(
あな
)
の
窄
(
せま
)
きを
悟
(
さと
)
らざる
烏滸
(
をこ
)
の
白者
(
しれもの
)
といふべし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
海拔はさほどに高いところでは無いが山懷の
窄
(
せま
)
いところを鬼怒川が怒流してゐるので氣流の加減によつてか、他處では雨が無かつたのに、聞けば毎日雨があつたといふことで
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
始終人から
距
(
へだ
)
てをおかれつけた内田を喜ばしたので、葉子が来ると内田は、何か心のこだわった時でもきげんを直して、
窄
(
せま
)
った
眉根
(
まゆね
)
を少しは開きながら、「また
子猿
(
こざる
)
が来たな」といって
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
全く
窄
(
せま
)
い穴の中に這入ったので、時計の内部へ囚人と為ったのと同じことだ。
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
「
眼裏
(
がんり
)
塵
(
ちり
)
あれば三界は
窄
(
せま
)
く、
心頭
(
しんとう
)
無事
(
ぶじ
)
なれば一
床
(
しょう
)
寛
(
かん
)
なり」
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
窄
(
せま
)
い入口の開いたことだけは、まず疑いがない。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
松塘が長句に曰く「去年正月尋君時。手挈杉田梅一枝。今年春又君問我。衝門先覚香風吹。担来繁蕊如人白。一堂照映坐為窄。」〔去年正月君ヲ尋ネシ時/手ニ
挈
(
ひっさ
)
グ杉田ノ梅一枝/今年春又君我ヲ問フ/門ニ
衝
(
むか
)
ヒテ先ヅ覚ユ香風ノ吹クヲ/
担
(
かつ
)
ギ来ル繁蕊人ノ白キガ如シ/一堂照映シテ
坐
(
おのずか
)
ラ
窄
(
せま
)
シト為ス〕云々。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
誰か
徒為
(
いたづら
)
に旧思想を墨守し、
狭隘
(
けふあい
)
なる国家主義を金城鉄壁と
崇
(
あが
)
め、己れと己れの天地を
蠖屈
(
くわくくつ
)
の
窄
(
せま
)
きに甘んぜんとするものぞ。
一種の攘夷思想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
定めしおれの
所業
(
しわざ
)
をば不審もして居たろうがまあ聞け、手前の母に別れてから二三日の間実は張り
詰
(
つめ
)
た心も恋には
緩
(
ゆる
)
んで、
夜深
(
よふか
)
に一人月を
詠
(
なが
)
めては人しらぬ露
窄
(
せま
)
き
袖
(
そで
)
にあまる陣頭の
淋
(
さび
)
しさ
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
路は一
ト
しきり大に急になり且又
窄
(
せま
)
くなつたので、胸を突くやうな感じがして、晩成先生は遂に左の手こそは傘をつかまへて居るが、右の手は痛むのも汚れるのも厭つてなど居られないから
観画談
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
路は一
ト
しきり
大
(
おおい
)
に急になりかつまた
窄
(
せま
)
くなったので、胸を突くような感じがして、晩成先生は遂に左の手こそは傘をつかまえているが、右の手は痛むのも汚れるのも
厭
(
いと
)
ってなどいられないから
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
窄
漢検準1級
部首:⽳
10画
“窄”を含む語句
身窄
見窄
上窄
窄袴
狭窄
狭窄衣
食道狭窄
窄迫
窄融
窄胸術
窄口
窄々
狭窄症
引窄
外窄
圧窄
半窄袴
入窄門図
偏窄