“径路”のいろいろな読み方と例文
旧字:徑路
読み方割合
けいろ69.2%
こみち7.7%
いきさつ3.8%
すじみち3.8%
ちかみち3.8%
みちすじ3.8%
みちすぢ3.8%
みちゆき3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こう云う場合における精神運動の方向は、いつもきまったもので、必ず積極から出立してしだいに消極に近づく径路けいろを取るのが普通である。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一昨日母者ははじゃ葬式そうしきをして沈んだ顔の仁左衛門さんも来て居る。余は高井戸の通りで失敬して、径路こみちから帰った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
おこがましい申分もうしぶんかはぞんじませぬが、そのてん御理解ごりかい充分じゅうぶんでないと、地上ちじょう人類じんるい発生はっせいした径路いきさつがよくおわかりにならぬとぞんじます。
道庵ともあるべきものが、なぜこんな目に逢わされたかというに、その径路すじみちを一通り聞けば、なるほどと思われないこともありません。
で、二台、月に提灯かんばんあかり黄色に、広場ひろっぱの端へ駈込かけこむと……石高路いしたかみちをがたがたしながら、板塀の小路、土塀の辻、径路ちかみちを縫うと見えて、寂しい処幾曲り。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ふるい小泉の家をささえようとしている実が、幾度いくたびか同じ蹉跌つまずきを繰返して、その度に暗いところへ陥没おちいって行く径路みちすじは、ありありと彼の胸に浮んで来た。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
私は長く交際つきあつて見て、瀬川君が種々いろ/\に変つて来た径路みちすぢを多少知つて居ますから、奈何どうして彼様あゝ考へ込んで居るか、奈何して彼様憂欝に成つて居るか、それはもう彼の君のることを見ると
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
遂に常道を失するやうに為る、といふ径路みちゆきであるが、此の夫婦の間を書くのが、双方教育ある人物である丈け、実に困難至極。
未亡人と人道問題 (新字旧仮名) / 二葉亭四迷(著)