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径路
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けいろ
ふりがな文庫
“
径路
(
けいろ
)” の例文
旧字:
徑路
こう云う場合における精神運動の方向は、いつもきまったもので、必ず積極から出立してしだいに消極に近づく
径路
(
けいろ
)
を取るのが普通である。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
径路
(
けいろ
)
窄
(
せま
)
きところは、一歩を留めて、人に行かしめ、
滋味
(
じみ
)
濃
(
こまや
)
かなるものは、三分を減じて人に
譲
(
ゆず
)
りて
嗜
(
たしな
)
ましむ、これは
是
(
こ
)
れ、世を
渉
(
わた
)
る一の
極安楽法
(
ごくあんらくほう
)
なり」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
が、刺し殺した瑠璃子自身は、刺し殺す
径路
(
けいろ
)
に於て、刺し殺した結果に於て、悪魔に近いものになっている。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
一人
(
ひとり
)
に
二人
(
ふたり
)
分の性格が出来ると同時に、他の一人は
白痴
(
はくち
)
になつてしまふ。その
径路
(
けいろ
)
を書いたものですが、外界には何も起らずに、内界に不思議な変化の起る所が、
頗
(
すこぶ
)
る巧妙に書いてある。
近頃の幽霊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼女があのまやかし物の「父の形見」を見せられて一時は情に
絆
(
ほだ
)
されたとしても、遂に全く心を許して復讐の大事を彼に
委
(
ゆだ
)
ねるに至ったのには、尚相当の
径路
(
けいろ
)
があったことゝ想像される。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
国貞
(
くにさだ
)
の女が
清長
(
きよなが
)
や
歌麿
(
うたまろ
)
から生れたのはこういう
径路
(
けいろ
)
を取っている。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
それにも、
径路
(
けいろ
)
がなければならぬ。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから
先
(
さき
)
何
(
ど
)
んな
径路
(
けいろ
)
を取つて、生長するか
分
(
わか
)
らないが、到底
人間
(
にんげん
)
として、生存する
為
(
ため
)
には、
人間
(
にんげん
)
から
嫌
(
きら
)
はれると云ふ運命に到着するに
違
(
ちがひ
)
ない。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕がここに自分の
迷
(
まよ
)
いの
径路
(
けいろ
)
を述べたのは、同じ問題に苦しめる人の参考に
供
(
きょう
)
したいからである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
開化とは人間の energy の発現の
径路
(
けいろ
)
で、この活力が二つの
異
(
ことな
)
った方向に延びて行って入り乱れて出来たので
無題
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
顧みれば顧みるほど
華麗
(
はなやか
)
である。小野さんは
趣
(
おもむき
)
が違う。自然の
径路
(
けいろ
)
を
逆
(
さか
)
しまにして、暗い土から、根を振り切って、日の
透
(
とお
)
る波の、明るい
渚
(
なぎさ
)
へ
漂
(
ただよ
)
うて来た。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一般から
蒙
(
こうむ
)
る評価には、案外な点もあるいはあるといわれるかも知れないが、自分が如何にしてこんな人間に出来上ったかという
径路
(
けいろ
)
や因果や変化については
マードック先生の『日本歴史』
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分の心の
径路
(
けいろ
)
をありのままに現わすことが出来たならば、そうしてそのままを人にインプレッスする事が出来たならば、
総
(
すべ
)
ての罪悪というものはないと思う。
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうすると果してこんな
径路
(
けいろ
)
を取って、こんな風に「何が何だか分らなくなる」かどうだか保証出来ない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、顔を知り合ってから、結婚が成立するまでに、どんな
径路
(
けいろ
)
を通って来たか自分はよく知らない。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
高柳君がふと眼を挙げた時、梧桐はすべてこれらの
径路
(
けいろ
)
を通り越して、から
坊主
(
ぼうず
)
になっていた。窓に近く
斜
(
なな
)
めに張った枝の先にただ一枚の
虫食葉
(
むしくいば
)
がかぶりついている。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし私自身がそれがため、自信と安心をもっているからといって、同じ
径路
(
けいろ
)
があなたがたの模範になるとはけっして思ってはいないのですから、誤解してはいけません。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その時
遥
(
はるか
)
下の方を見渡して、山やら、谷やら、
畠
(
はたけ
)
やら、一々実地の地形について、当時の日本軍がどう云う
径路
(
けいろ
)
をとって、ここへじりじり攻め寄せたかをついでながら物語られた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いくら死に近づいても死ねないと云う非事実な論理に
愚弄
(
ぐろう
)
されるかも知れないが、こう一足飛びに片方から片方に落ち込むような思索上の不調和を
免
(
まぬ
)
かれて、生から死に行く
径路
(
けいろ
)
を
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“径路”の意味
《名詞》
こみち。細い道。
「経路」の別表記。
(出典:Wiktionary)
径
常用漢字
小4
部首:⼻
8画
路
常用漢字
小3
部首:⾜
13画
“径”で始まる語句
径
径庭
径道
径々
径傍
径山
径廷
径我
径行
径蹊