“絆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きずな49.6%
ほだ21.0%
ほだし14.3%
きづな7.6%
つな2.5%
まつ2.5%
ホダシ1.7%
たづな0.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女とちぎれば、くさりができる。周囲のきずなや、子も出来る。それらの者を養うためには、職を持って、心ならぬ権門へも付かねばならぬ。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うるさいとか執念ぶかいとか思いながらも、彼女と自分とのあいだには切ることのできないきずながしっかりと結び付けられていたのであった。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
三界流転さんがいるてんのうち、離れ難きぞ恩愛のきずななる——といったような、子を持った親でなければわからない感情のために、お雪ちゃんが泣きました。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
わずかな言葉の響きや方式の新らしさにほだされて、今頃ふたたび以前と同様な拘束の世界に戻って行こうとする者はよもやもう有るまい。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
いくら親切にほだされても、今までは見向きもしなかつた侍従が、——と云つても相手はおれだからな。この位平中に思はれたとなれば、急に心も融けるかも知れない。
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
玲子は思いがけなく変った母親の、親切この上もない態度にほだされたらしく、なおもシクシク泣き続けていたが、そのうちにヤットの思いで立上った。涙を拭き拭き、
継子 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
かゝる動き、純なる空氣の中にありて全くほだしなやこの高嶺たかねを撃ち、林に聲を生ぜしむ、これその繁きによりてなり 一〇六—一〇八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
諸縁しよゑんこれよりかれてちがたきほだし次第しだいにふゆれば、一にん野澤桂次のざわけいじならず
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
刀のさびにするにも足らない奴だがよい折柄おりから端役はやく、こいつに女のいきさつをすっかり任せてしまえば、女のほだしから解かれることができる。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
わが愛これに燃やされしこといかばかりぞや、げに是時にいたるまで、かくうるはしききづなをもて我をつなげるもの一だになし 一二七—一二九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
最近一つのきづなとなつてしまつた彼女の将来を何うしようかといふことが、その間も気にかゝつてゐたには違ひなかつた。
町の踊り場 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
思へば三界の火宅くわたくのがれて、聞くも嬉しきまことの道に入りし御身の、欣求淨土ごんぐじやうどの一念に浮世のきづなき得ざりしこそ恨みなれ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
支那でも蛟が馬を害した譚が多く、『埤雅ひが』にその俗称馬絆とあるは、馬をつなぎ留めて行かしめぬてふ義であろう。
次にラが木伐ききりの当番となり、林中に往き、縄で所有あらゆる樹をつなぎ居る、また見に来て問うにこたえて、一本二本は厄介故、皆持って往こうと言うと、その間に竜輩凍死すべければ、以後汝を休ませ、吾輩毎日運ぶべしと言った。
善く教練してつながざるに去らず。
それには経済上の事情もまつわっていたのであるが、満十七歳二カ月にして新聞社に籍を置いたという事は、いろいろの意味においてわたしの不幸であった。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その年ごろや風俗がこのあいだの晩、両国の橋番小屋の外にうろついていた男によく似ているらしいので、半七はいよいよ彼とお鉄とのあいだに何かの因縁のまつわっていることを確かめた。
半七捕物帳:37 松茸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それを聽いてからお道には暗い陰がまつはつて離れなかつた。
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
其までの長雨忌ナガメイみの間を「馬にこそ、ふもだしかくれ」と歌はれたカイホダシ(すべて、ふもだし)の役目をするのが、ひもであつた。
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
それまでの長雨忌ナガメイみの間を「馬にこそ、ふもだしかくれ」と歌われたカイホダシ(すべて、ふもだし)の役目をするのが、ひもであった。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
「イヤイヤ滅多な事を言出して取着かれぬ返答をされては」ト思い直してジット意馬いばたづな引緊ひきしめ、に住む虫の我から苦んでいた……これからが肝腎かなめ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)