“きずな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
81.7%
4.9%
羈絆3.7%
覊絆3.7%
2.4%
束縛1.2%
羇絆1.2%
1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「これは人間どうしのきずなだ」と栄二は口の中で囁いた、「この寄場とおれを結ぶ絆だ、この絆は簡単に切れるもんじゃないんだ」
さぶ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そして挑まれて初めは面白半分ふざけ半分にこれと身体を交えたとなったが最後……ただの一度でも身体を交えたが最後、もはや人獣のこの浅ましいきずなから逃れ去ることはできなくなってくるのです。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
おまえとみくずとはさきの世からの約束がある。いかにわたしをかたきにしようと思うても、所詮しょせんむすび付いた羈絆きずなは離れぬ。今別れても再びめぐりあう時節があろう。これを覚えていてくだされ
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ただこの順境が一転して逆落さかおとしに運命のふちへころがり込む時、いかな夫婦の間にも気まずい事が起る。親子の覊絆きずなもぽつりと切れる。美くしいのは血の上を薄くおおう皮の事であったと気がつく。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そしてその結果は如何いかん? 麗わしき神の御業みわざは、無残にも脚下に蹂躙じゅうりんせられ、人間が額に汗して築き上げたる平和の結晶は、一朝にして見る影もなく掃滅せられ、夫婦骨肉のきよきずなは断たれ
信仰や理知の束縛きずなを解き放ってのう
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)
お里と自分とは、もう切り放すことのできない羇絆きずなが結び付けられたことを観念すると同時に、彼は言い知れぬ悔みと悩みとにひしひしと責めつけられた。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そして彼はただ、善良な母親とだけ、たがいの愛情のきずなを感じていた。しかしルイザは、彼と同様にいつも疲れはてていた。