“濃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
45.3%
こま27.0%
こまや17.3%
こまやか4.1%
こまか2.2%
こい0.9%
こき0.6%
こっ0.6%
のう0.6%
こひ0.3%
こゆ0.3%
0.3%
コマ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
春子はるこさんが、ってみると、それは、うつくしい、べにざらをるように、むらさきのぴかぴかとしたはねった玉虫たまむし死骸しがいでありました。
玉虫のおばさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
まずあなたの特色として第一に私の眼に映ったのは、ゆたかな情緒をこまやかにしかもきりかすみのように、ぼうっと写し出す御手際おてぎわです。
木下杢太郎『唐草表紙』序 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼はその後も彼の異様な恋情をてなかったばかりか、それは月日がたつに従って、愈々いよいよこまやかに、愈々深くなりまさるかと思われた。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
我は常に宮がなさけこまやかならざるを疑へり。あだかも好しこの理不尽ぞ彼が愛の力を試むるに足るなる。善し善し、盤根錯節ばんこんさくせつはずんば。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
長さものみならざるむねに、一重の梅や八重桜、桃はまだしも、菊の花、薄荷はっかの花のも及ばぬまでこまかきを浮き彫にしてにおばか
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
又対岸の蘭領のリオ島ほか諸島が遠近につて明るい緑とこいあゐとを際立たせながら屏風の如くひらいて居るのも蛮土とは想はれない。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
短いひとえの衣にも、白を好むものが北へ行くほど多い。黒の半臂はっぴを一様にその上に着て、野路を群れて行くさまは絵であった。下の裳にも今は紅を厭うて、こき山吹に染めた若い女が多かった。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
背後うしろからおえいの髷をくわえてうしろへ引倒して、花嫁の美くしゅうこってりとお粉粧しまいをした顔を馬がモリ/\ッと噛みましたから、これは全く馬が多助のあだを討ったようなものでございます。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そう駿すんえんのうの間に流行し、昨年中は西は京阪より山陽、南海、西国まで蔓延まんえんし、東はぼうそうじょうしんの諸州にも伝播でんぱし、当年に至りてはおう州に漸入するを見る。
妖怪玄談 (新字新仮名) / 井上円了(著)
たづさ曉寅刻あけなゝつに皆門口へ來て親方御支度はよしかと大聲に云ば水田屋の家内かないは立出是は御苦勞々々々今旦那だんなは御出なさると云中藤八出來りしが先其打扮いでたち紺縞こんじまの上田のあはせ紺紬こんつむぎ盲縞めくらじまの羽織こひ納戸なんどの半合羽を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こゆ姫向日葵ひめひまわりのそよぎをり
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
縹色はなだいろ(露草染め)のむらの狩衣に、よい太刀たちいた武者烏帽子むしゃえぼしの武人である。年のころは二十六、七か。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夫情フジョウコマヤカニ致サバ、男子ナンシ十一人出生セム。