“濃厚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のうこう64.7%
しつこ11.8%
こってり5.9%
こつてり5.9%
こまやか5.9%
みご5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
風俗ふうぞく派手はででない、をんなこのみ濃厚のうこうではない、かみかざりあかいものはすくなく、みなこゝろするともなく、風土ふうどふくしてるのであらう。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
桂子は一人になつて寂しい所を歩いてゐると、チーズのやうな何か強い濃厚しつこいものが欲しくなつた。
花は勁し (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
くび飾りを下げているでもなければ、指環一つめているでもなく、ただ腰帯にだけ豪奢な飾りを示している天使のように清らかな彼女の装いは、欧州の濃厚こってりとした装いをたちまちに蹴落して
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
うすらさびしきやうものおもはしげにて、いづ華族くわぞくであらうお化粧つくり濃厚こつてりだとよしらうふりかへりてふをみゝにもれぬらしきさまにて、れとうちながめたゞ悄然しよんぼりとしてあるにらうこゝろならず
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それから、りのある賣女屋ばいぢよやまへかさかたむけて、狐鼠々々こそ/\かくれるやうにしてとほつたが、まだ何處どこきてはない、はるこまやかにもんとざして、大根だいこんゆめ濃厚こまやか
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つまり世界第一等の色気の深い香水の材料たねになります訳で、今の林君の話のスカン何とかチュウ処の鯨よりも日本の鯨の新婚旅行の涎の方が何層倍、濃厚みごいそうで……
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)