濃厚しつこ)” の例文
桂子は一人になつて寂しい所を歩いてゐると、チーズのやうな何か強い濃厚しつこいものが欲しくなつた。
花は勁し (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
ことに、奥様が癇癪かんしゃくを起した時なぞは、「ちょッ、貴方あなたのように濃厚しつこい方はありゃしない」と言って、ぷいと立って行って御了いなさることも有ました。奥様の癇癪の起きた日はすぐに知れます。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)