“喪”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
うしな64.7%
20.3%
うし3.0%
うしの2.3%
ほろぼ2.3%
1.9%
そう0.8%
なく0.8%
はて0.8%
0.8%
(他:7)2.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その三品みしなを新聞紙に包んで押収した係官の一行の背後姿うしろすがたを、区長も、青年も土のように血の気をうしなったまま見送っていた。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その隣りには、半年前に夫をうしなったというまだ艶々つやつやしい未亡人だの、そのめいにあたるという若い女だのが居流いながれていた。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ジーンと鳴いて行く秋の蝉、——側腹のあたりに、龍胆りんどうと梅鉢草が咲いているな——と思った切り龍之助は正気をうしなってしまいました。
大江戸黄金狂 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「ああ、それならようございました。けれど、越後あたりでは、もはや御死去になったが、家中でを秘しているなどという噂さえありまして——」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とむらう——と称してきた者をこばむわけにもゆかなかった。魯粛が迎えて対面した。しかし故人周瑜の部下や、呉の諸将も口々に、
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この日、漢中王の名をもって、蜀中には発せられ、成都宮の南門には、関羽を祭る壇が築かれ、そして雪積む冬中も弔旗ちょうきは寒天に凍っていた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
八五郎とお葉は、それつきり氣をうしなつてしまつたのです。それを、ズルズルと井戸端まで引摺つて行つたのは、何處から現はれたか、錢形平次ときね太郎の姿でした。
もうその時が来たかのように、志保が色をうしなって考えこむのを見たお萱は、却ってうろたえたように急いでうち消した。
菊屋敷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
主人の彦七はまだ四十二三、頑丈さうな身體と、弱さうな神經を持つた典型的な旦那衆で、檢屍が無事に濟んで、改めて配偶つれあひうしなつた悲歎にさいなまれて居る樣子です。
初めてぐううしのうて鰥居無聊かんきょむりょうまたでて遊ばず、ただ門につて佇立ちょりつするのみ。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
竹取翁 なよたけは信ずるものをうしのうた。なよたけの夢はうつから消えて行くのじゃ。……竹取ノ翁もなよたけのかぐやも無明の中に消えて行くのじゃ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
飛鳥き、奔獣尽き、流水よりがくを吸い、空中より鷲を落し、世間恐怖もて満たされ、一国のために人口の半ばをうしのうたと吹き立て、衆経撰『雑譬喩ぞうひゆ経』に
また、我が封建の諸藩において、老儒先生を重役に登用して何等の用もなさず、かえって藩土のために不都合を起して、その先生もついに身をほろぼしたるもの少なからず。
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
天のまさの文をほろぼさんとするときは、後死者われ(孔子自らいう)は斯の文にあずかるを得ざるべし。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
子匡に畏す。曰く、文王既に没して、文茲に在らずや。天の将に斯の文をほろぼさんとするや、後死の者斯の文に与るを得ざるなり。天の未だ斯の文を喪さざるや、匡人其れわれを如何せんと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
佐兵衛夫婦はちょうど生れたばかりの総領をくして、悲歎にくれている時だったので、そのまま総領の乳母うばを留め置いて弥三郎を育てました。
佐兵衞夫婦は丁度生れたばかりの總領をくして、悲歎にくれて居る時だつたので、そのまゝ總領の乳母を留め置いて彌三郎を育てました。間もなく、めひのお絹を貰つて、跡取娘といふことにしたのです。
と、自分の児供をくした時でもこれほど落胆すまいと思うほどに弱り込んでいた。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
檀弓だんぐうに見えて居る通り、子上しじょうの母死してそうせずの条によれば、孔子こうしの御孫の子思子しししが妻を去られたことは分明である。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「ああ、天はそうくだされました」その一つがいとも悲しそうにいった。
不周山 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「その間にお内儀がなくなつた、——文三郎はそれを、お半の手に掛つて毒害されたものと早合點して、寺へ手紙などを出したが、お内儀の死んだのは全くの病氣だつた」
「その間にお内儀がなくなった、——文三郎はそれを、お半の手に掛って毒害されたものと早合点して、寺へ手紙などを出したが、お内儀の死んだのは全くの病死だった」
長雨空のはてぎて、さすや忽ち薄日影、
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
長雨空のはて過ぎて、さすや忽ち薄日影、
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
一時的の喪を、モガリといふのも、の逆である。
古代中世言語論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此期間が、漢風習合以前の日本式のであつたのである。
唯親をなくなしたのが情無なさけないばかりではないのですよ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「旦那のえ後は、いわばお前さんがこの家の元締め、で、お前さんだけあ、手を下ろす前に耳に入れておきてえんだが、繩付きどころの騒ぎじゃねえぜ。知ってのとおり、喜兵衛さん、主殺しと言やあ、引廻しの上、落ち着く先はおきまりの、差しずめ千住か小塚ッ原——。」
ここにそのみめ須世理毘賣すせりびめは、はふりもの一〇を持ちて哭きつつ來まし、その父の大神は、すでにせぬと思ほして、その野に出でたたしき。
カークをはじめ一人も声がなく、ほうけて死人のようになってしまった。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
悔悟すれども膺懲ようちょうの奇策なければ淪胥りんしょともほろぶるの外致し方なし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
 ——王、太子(将軍の世子)ヲウシナウテ、後宮、マタ子ヲ産ムナシ。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——王(将軍綱吉のこと)先ニ太子(将軍の世子セイシ)ヲウシノウテ、後宮マタ子ヲ産ムナシ。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)