“なくな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
32.2%
12.6%
紛失10.3%
歿9.2%
逝去9.2%
死去5.7%
4.6%
4.6%
死歿2.3%
1.1%
失踪1.1%
死亡1.1%
泣々1.1%
1.1%
物故1.1%
病亡1.1%
1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家中うちぢゆうで一番広い客座敷の縁先には、なくなつた人達の小袖こそでや、年寄つた母上の若い時分の長襦袢などが、幾枚となくつり下げられ
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
山「いわ、なくなる時にゃア失るから大騒ぎやって行かなくっても宜い、ア云う親孝行のだから有りゃア取って置いて呉れる」
ところがこの二、三日、午飯時おひるどきになると、きっと誰かしらのお弁当が紛失なくなっている。今日も眼玉のひさしとあだなされている、あたしの妹の分がなくなった。
石川啄木が歿なくなつてからいまだ二十年かそこらにしかならないのに、石川の伝記が往々誤り伝へられてゐるのは石川のためにも喜ばしいことではない
石川啄木と小奴 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
母は本当に心から私を愛してくれましたが私が十歳になった時逝去なくなってしまったのでございます。
温室の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
縫「有難う存じます、その親も死去なくなりました、其の跡は職人が続いて法事をいたして、石塔やなんかを建てたいという心掛なので」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
一人ならず二人欺くんじや! 一方には悔悟して、それが為に又一方に罪を犯したら、折角の悔悟の効はなくなつて了ふ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
私はべません、餓死致します、お前の様な匹夫の勇を奮って浪島の家名をけがす者の顔を見るのが厭だから私は餓死致します、親父おとっさまは早く此の世をおなくなり遊ばし
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「去年、旦那が死歿なくなって、朝夕淋しくお暮しだろう。慈善だの、何だのと、世間体はよしにして、情夫いろおとこでも御稼ぎなさいな。私やもう帰ります。」と、襟掻合かきあわして立上り
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
両親の歿なくなつたのも、わたくしであれ、貴方であれ、かうして泣いて悲む者は、ここに居る二人きりで、世間に誰一人……さぞみんなが喜んでゐるだらうと思ふと、唯親をなくなしたのが情無なさけないばかりではないのですよ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
良人は宇都宮うつのみやからだんだん函館はこだてまでまいり、父は行くえがわからなくなり、弟は上野で討死うちじにをいたして、その家族も失踪なくなってしまいますし、舅もとうとう病死をしましてね
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
『私は……父はまだ達者ですが、母は私が学校を卒業する少し前に死亡なくなりました。』
一月一日 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
流して只今御尋ねに付思ひ出し候てもなげかはしきは私し事其前夜より病氣にて立起も自由ならずして當朝たうてう弟十兵衞出立しゆつたつの見送りも致さずひとり立せしゆゑ闇々やみ/\と人手に掛り相果候事殘念今に忘れ申さず候と泣々なくなく申立ければ越前守殿是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
若しさうなれば、私もそれで苦労がなくなるのだから、きつと体も丈夫になるに違無いから、是非さう云ふ事に阿父さんにも頼んで下さいな、ねえ、阿母さん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
初元結といえば、ずっと前に、もう物故なくなってしまった朱絃舎しゅげんしゃ浜子が、これが、初元結だといって、一束の菊の苗をもってきてくれた。
拙郎やつがれ皆目かいもくるはずなけれど、一昨年をとゞし病亡なくなりしぢやうさまの乳母うばが、常日頃つねひごろあそびにてのはなしなりといふ、おとしは十九なれどまだまだ十六七としかえず
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「日がなくなって、晩方ばんがたの風は寒い、早く家へ入れてやるぞ。」
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)