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紛失
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なくな
ふりがな文庫
“
紛失
(
なくな
)” の例文
さ、その御話しというのは、あれも
紛失
(
なくな
)
った、これも紛失った、針箱の引出に入れて置いた紫縮緬の半襟も紛失ったと御話しなさいました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ところがこの二、三日、
午飯時
(
おひるどき
)
になると、きっと誰かしらのお弁当が
紛失
(
なくな
)
っている。今日も眼玉の
廂
(
ひさし
)
とあだなされている、あたしの妹の分がなくなった。
旧聞日本橋:04 源泉小学校
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
さて、ところで、
紛失
(
なくな
)
ったといえば、もう一つ
紛失
(
なくな
)
った物があった。他ならぬ銀之丞の鼓であった。それと知ると平手造酒は、躍り上がって
口惜
(
くや
)
しがり
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
此処の主人が大金を出して抱えた花魁なら、大切な預り物よ、それが
紛失
(
なくな
)
っては己が済まねえから、畳を揚げたり天井板を
引剥
(
ひっぺが
)
して探そうというのが分らねえか
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その方がおいでになったら、わたし共の頸飾りが、たちまちこんな不思議な
紛失
(
なくな
)
り方をしたとなると、あなたは一体、このことを、どうお考えになります? アイネス嬢
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
そして不意に、「長火鉢の上に置いてあつた十円札が
紛失
(
なくな
)
つた。あき子さんが盗つたのぢや」
死線を越えて:02 太陽を射るもの
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
主のない部屋は窓も箪笥の抽出も開放しになって、彼の所持品は悉く
紛失
(
なくな
)
っていた。
日蔭の街
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
して稻葉丹後守樣の屋敷へ行などと云しが
果
(
はた
)
して
表
(
おもて
)
の
質屋
(
しちや
)
にて百兩の金が
紛失
(
なくな
)
りし由
恐
(
おそ
)
ろしき
盜人
(
ぬすびと
)
もあるものかな
而
(
し
)
て見れば是までも
諸所
(
しよしよ
)
へ
盜賊
(
たうぞく
)
に
這入
(
はひり
)
しに違ひなし此間もお内儀さんが
浴衣
(
ゆかた
)
の古いのを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
稻垣さまが仰しゃった事を
慥
(
たしか
)
に覚えているが、これが
紛失
(
なくな
)
るとお屋敷の方も大騒ぎになるだろうし、また主人へはお屋敷から
何
(
ど
)
んな難題がかゝって来るか分らない
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「小母さんは、坊っちゃんのお家の人じゃ、ないんですのよ。坊っちゃんお聞きになったことがある? 坊っちゃんのお家で、ちょっと
紛失
(
なくな
)
ったものがあって、それを調べに来てるんですのよ」
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
それと金側の時計が一つ
紛失
(
なくな
)
りました、
金
(
かね
)
もございませんから、若し盗賊にでも取られまして、それであゝいう堅い気性でございまして、はッと取りのぼせましたか
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
若「何が
紛失
(
なくな
)
りましたか知りませんが、斯んな
悪戯
(
わるいたずら
)
をなすってはいけません」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
紛
常用漢字
中学
部首:⽷
10画
失
常用漢字
小4
部首:⼤
5画
“紛失”で始まる語句
紛失物