“引剥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひきは22.7%
ひっぱ20.5%
ひんむ11.4%
ひきはが9.1%
ひっぺが6.8%
ひっぺ6.8%
ひはぎ6.8%
ひきむ4.5%
ひっぱが2.3%
ひっぺがし2.3%
ひつぱ2.3%
ひつぱが2.3%
ひつぺ2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一枚ぐらいはドコかに貼(は)ってありそうなもんだと、お堂の壁張(かべばり)を残る隈(くま)なく引剥(ひきは)がして見たが、とうとう一枚も発見されなかったそうだ。
乱箱(みだればこ)に畳(たた)んであった着物を無造作に引摺出(ひきずりだ)して、上着だけ引剥(ひっぱ)いで着込(きこ)んだ証拠(しょうこ)に、襦袢(じゅばん)も羽織も床(とこ)の間(ま)を辷(すべ)って、坐蒲団(すわりぶとん)の傍(わき)まで散々(ちりぢり)のしだらなさ。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
累「はい蚊帳どころではございません、着ております物を引剥(ひんむ)いて持出しまして、売りますか質に入れますか、もう蚊帳も持出して売りました様子で」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
床も天井も引剥(ひきはが)したまゝ、壁は落され、爐(ろ)の灰は掻き廻され、戸棚も箪笥(たんす)も引つくり返して、千兩箱の行方を搜した樣子です。
此処の主人が大金を出して抱えた花魁なら、大切な預り物よ、それが紛失(なくな)っては己が済まねえから、畳を揚げたり天井板を引剥(ひっぺが)して探そうというのが分らねえか
と云って、二間梯(ばしご)を持ち出して新三郎の家(うち)の裏窓の所へかけ、顫い顫いあがってお札を引剥(ひっぺ)がした機(ひょうし)に、足を踏みはずして畑の中へ転げ落ちた。
円朝の牡丹灯籠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
物にもよりますが、こんな財物(たから)を持っているからは、もう疑(うたがい)はございませぬ。引剥(ひはぎ)でなければ、物盗(ものと)りでございます。
運 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
偏(ひとへ)にこの君を奉じて孤忠(こちゆう)を全うし、美と富との勝負を唯一戦に決して、紳士の憎き面(つら)の皮を引剥(ひきむ)かん、と手薬煉(てぐすね)引いて待ちかけたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
香椎六郎は手をかけて引剥(ひっぱが)そうとしましたが、向日葵(ひまわり)は床に固着してビクともしません。
向日葵の眼 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
陰惨な鼠色の隈(くま)を取った可恐(おそろし)い面のようで、家々の棟は、瓦の牙(きば)を噛み、歯を重ねた、その上に二処(ふたところ)、三処(みところ)、赤煉瓦(あかれんが)の軒と、亜鉛(トタン)屋根の引剥(ひっぺがし)が、高い空に、赫(かっ)と赤い歯茎を剥(む)いた
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と突然(だしぬけ)に夜具を引剥(ひつぱ)ぐ。夫婦(ふうふ)の間とはいえ男はさすが狼狙(うろた)えて、女房の笑うに我からも噴飯(ふきだし)ながら衣類(きもの)を着る時、酒屋の丁稚(でっち)
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
彼れは力をこめて引剥(ひつぱが)すと、いま/\しげに夫れを丸めて庭に投げ棄てた。
実験室 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
實(じつ)は六十幾歳(ろくじふいくさい)の婆々(ばゞ)で、かもじを亂(みだ)し、白(しろ)ぬのを裸身(はだかみ)に卷(ま)いた。——背中(せなか)に、引剥(ひつぺ)がした黒塀(くろべい)の板(いた)を一枚(いちまい)背負(しよ)つて居(ゐ)る。それ、トくるりと背後(うしろ)を向(む)きさへすれば、立處(たちどころ)に暗夜(やみ)の人目(ひとめ)に消(き)えたのである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)