“引剥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひきは21.4%
ひっぱ21.4%
ひんむ11.9%
ひきはが9.5%
ひっぺが7.1%
ひっぺ7.1%
ひはぎ7.1%
ひきむ4.8%
ひっぱが2.4%
ひっぺがし2.4%
ひつぱ2.4%
ひつぺ2.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一枚ぐらいはドコかにってありそうなもんだと、お堂の壁張かべばりを残るくまなく引剥ひきはがして見たが、とうとう一枚も発見されなかったそうだ。
乱箱みだればこたたんであった着物を無造作に引摺出ひきずりだして、上着だけ引剥ひっぱいで着込きこんだ証拠しょうこに、襦袢じゅばんも羽織もとこすべって、坐蒲団すわりぶとんわきまで散々ちりぢりのしだらなさ。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
累「はい蚊帳どころではございません、着ております物を引剥ひんむいて持出しまして、売りますか質に入れますか、もう蚊帳も持出して売りました様子で」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
床も天井も引剥ひきはがしたまゝ、壁は落され、の灰は掻き廻され、戸棚も箪笥たんすも引つくり返して、千兩箱の行方を搜した樣子です。
此処の主人が大金を出して抱えた花魁なら、大切な預り物よ、それが紛失なくなっては己が済まねえから、畳を揚げたり天井板を引剥ひっぺがして探そうというのが分らねえか
と云って、二間ばしごを持ち出して新三郎のうちの裏窓の所へかけ、顫い顫いあがってお札を引剥ひっぺがしたひょうしに、足を踏みはずして畑の中へ転げ落ちた。
円朝の牡丹灯籠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
物にもよりますが、こんな財物たからを持っているからは、もううたがいはございませぬ。引剥ひはぎでなければ、物盗ものとりでございます。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ひとへにこの君を奉じて孤忠こちゆうを全うし、美と富との勝負を唯一戦に決して、紳士の憎きつらの皮を引剥ひきむかん、と手薬煉てぐすね引いて待ちかけたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
香椎六郎は手をかけて引剥ひっぱがそうとしましたが、向日葵ひまわりは床に固着してビクともしません。
向日葵の眼 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
陰惨な鼠色のくまを取った可恐おそろしい面のようで、家々の棟は、瓦のきばを噛み、歯を重ねた、その上に二処ふたところ三処みところ赤煉瓦あかれんがの軒と、亜鉛トタン屋根の引剥ひっぺがしが、高い空に、かっと赤い歯茎をいた
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
突然だしぬけに夜具を引剥ひつぱぐ。夫婦ふうふの間とはいえ男はさすが狼狙うろたえて、女房の笑うに我からも噴飯ふきだしながら衣類きものを着る時、酒屋の丁稚でっち
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
じつ六十幾歳ろくじふいくさい婆々ばゞで、かもじをみだし、しろぬのを裸身はだかみいた。——背中せなかに、引剥ひつぺがした黒塀くろべいいた一枚いちまい背負しよつてる。それ、トくるりと背後うしろきさへすれば、立處たちどころ暗夜やみ人目ひとめえたのである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)