引剥ひつぺ)” の例文
じつ六十幾歳ろくじふいくさい婆々ばゞで、かもじをみだし、しろぬのを裸身はだかみいた。——背中せなかに、引剥ひつぺがした黒塀くろべいいた一枚いちまい背負しよつてる。それ、トくるりと背後うしろきさへすれば、立處たちどころ暗夜やみ人目ひとめえたのである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)