“引返”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひっかえ46.0%
ひきかへ21.0%
ひきかえ17.7%
ひつかへ7.3%
ひつかえ1.6%
ひきか1.6%
ひきけえ0.8%
ひっくりかえ0.8%
ひっけえ0.8%
ひッかえ0.8%
ひッかへ0.8%
ひツかへ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
西のかたに山の見ゆる町の、かみかたへ遊びに行つて居たが、約束を忘れなかつたから晩方ばんがた引返ひっかえした。これから夕餉ゆうげすましてといふつもり。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
湯治たうぢ幾日いくにち往復わうふく旅錢りよせんと、切詰きりつめた懷中ふところだし、あひりませうことならば、のうちに修善寺しゆぜんじまで引返ひきかへして、一旅籠ひとはたごかすりたい。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かれとらえられていえ引返ひきかえされたが、女主人おんなあるじ医師いしゃびにられ、ドクトル、アンドレイ、エヒミチはかれ診察しんさつしたのであった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
るにまた畳を摺来すりく跫音あしおときこえて、物あり、予が枕頭ちんとうに近寄る気勢けはひす、はてなと思ふ内に引返ひつかへせり。少時しばらくしてまたきたる、再び引返せり、三たびせり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
要次郎は不意の恐れに前後の考へをうしなつて、今までしつかりと握りしめてゐたおせきの手を振放して、半分は夢中で柴井町の方へ引返ひつかえして逃げた。
彼奴きやつる、どうして彼奴きやつ自分じぶんさきさきへとはるだらう、ま/\しいやつだとおほいしやくさはつたが、さりとて引返ひきかへすのはいやだし、如何どうしてれやうと
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
しかし死人だと云えば佐野まで引いて往ってくれべいが、隠しだてをするなら、あと引返ひきけえして、藤岡の警察署へ往って、其の荷をひらいてあらためて貰うべい
医者は、一寸ちょっと女の眼瞼まぶた引返ひっくりかえして見て
悪魔 (新字新仮名) / 小川未明(著)
さあ、引返ひっけえすんだ、兄弟! 己たちゃやり口が間違ってると思うよ。考えてみると、なるほど、あれぁフリントの声みてえだったが、やっぱり、あの人の声そっくりじゃなかったぜ。
というのは聞慣れた小女ちびの声で、然う言棄てて例の通り端手はしたなくバタバタと引返ひッかえして行く。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ロミオ 心臟しんざう此處こゝのこってゐるのに、なんかへることが出來できようぞい? どん土塊つちくれめ、引返ひッかへして、おのが中心たましひさがしをれ。
たきげてなうより、もと孤家ひとつや引返ひツかへせ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)