“ひつかえ”の漢字の書き方と例文
語句割合
引返100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
要次郎は不意の恐れに前後の考へをうしなつて、今までしつかりと握りしめてゐたおせきの手を振放して、半分は夢中で柴井町の方へ引返(ひつかえ)して逃げた。
しばらくして小提灯(こぢようちん)の火影(ほかげ)あかきが坂下より急ぎのぼりて彼方(かなた)に走るを見つ。ほどなく引返(ひつかえ)してわがひそみたる社(やしろ)の前に近づきし時は、一人ならず二人三人(ふたりみたり)連立(つれだ)ちて来(きた)りし感あり。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
色彩あり光沢(こうたく)ある虫は毒なりと、姉上の教へたるをふと思ひ出(い)でたれば、打置(うちお)きてすごすごと引返(ひつかえ)せしが、足許(あしもと)にさきの石の二(ふた)ツに砕(くだ)けて落ちたるより俄(にわか)に心動き、拾ひあげて取つて返し
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)