引返ひきか)” の例文
彼奴きやつる、どうして彼奴きやつ自分じぶんさきさきへとはるだらう、ま/\しいやつだとおほいしやくさはつたが、さりとて引返ひきかへすのはいやだし、如何どうしてれやうと
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
不愉快ふゆくわい人車じんしやられてびしい溪間たにまおくとゞけられることは、すこぶ苦痛くつうであつたが、今更いまさら引返ひきかへすこと出來できず、其日そのひ午後ごゝ時頃じごろ此宿このやどいた。突然とつぜんのことであるから宿やど主人あるじおどろかした。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)