“彼奴”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
あいつ53.6%
きゃつ34.8%
かやつ3.9%
きやつ3.3%
あやつ1.3%
やつ1.3%
あれめ0.7%
かれめ0.4%
かれ0.2%
やいつ0.2%
(他:1)0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“彼奴”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸50.0%
文学 > フランス文学 > 小説 物語36.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語11.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「彼は恐れず悲しまず、従容しょうようとして死んで行った。とにもかくにも凡人ではない。……では彼奴あいつは預言者か?」
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
かく「彼奴あいつは仁助という胡麻の灰でございますが、忰より年上だもんですから智慧を附けて、悪い者にしたのでございます」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
『おやッ! 彼奴きゃつがわしを見たッて、あの悪党が。彼奴きゃつはわしが、そらここにこの糸を拾ったの見ただ、あなた。』
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
彼奴きゃつとすれば同僚の敵、……討ち取らいでは……と云って、あの凄い剣技うででは……こりゃア親分にお話しして……」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
すると彼奴かやつは、真蒼な顔をして、毒々しい両眼にびっくりしたらしい表情を浮べて、ものも云わずに逃げてってしまったんだ。
子供を引き立てくだされなど、いい加減に述べて、引き出しをいて、たちまち彼奴かやつの眼前へ打ちかえすと
おや/\、彼奴きやつる、どうして彼奴きやつ自分じぶんさきさきへとはるだらう
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
川地のまなこはキラリ輝けり「ぢや、吾妻、今日こんにちまで報告した彼奴きやつの秘密は、虚事うそだと云ふのか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
彼奴あやつどものする事は一から十までサッパリわからん。切支丹と似たり寄ったりじゃ」
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
『何せい、殿様をあやまらせたのは、彼奴あやつばかりだからのう』
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼奴やつも可哀そうだ、一度は行って見てやらなければ……という気はあっても、さて踏み出して行く決心が出来なかった。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼奴やつつまみ塩か何かで、グイグイ引っかけてかア。うちは新店だから、帳面のほか貸しは一切しねえというめなんだ。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
婆は仮令如何されても惜くない老耄おいぼれ、生先の長い彼奴あれめが人様に恨まれるやうなことの無いやうに為ねばなりませぬ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
さむれば昨宵ゆうべ明放あけはなした窓をかすめて飛ぶからす、憎や彼奴あれめが鳴いたのかと腹立はらだたしさに振向く途端
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
彼奴かれめ敵手あいてとならんこと覚束おぼつかなし、わらわ夜叉神やしゃじんに一命を
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
なむ鬼兒おにのこにては、彼奴かれめ敵手あひてとならむこと
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼奴かれは私に見られたことなど少しも気づいていないのですから、きっと街道筋へ出るに相違ありません。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
……ああ舟が、舟がどんどん流れて行くんだもの! ええ、ええ、誰が舟をひっぱって行く! 誰が誰が!(水門の上の巨人の姿、ヨハナーンの眼に映る)彼奴やいつが! 畜生! 彼奴が! お姉様を! 彼奴が水門の上でお姉様を呼んでいる。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
……彼奴やつらの数学は、生徒職員の数と、夏冬の休暇に支給される鉄道割引券の請求歩合と、自分の月給の勘定ぐらいにしか役に立たないのだ。ハハハ……。
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)