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彼奴
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かやつ
ふりがな文庫
“
彼奴
(
かやつ
)” の例文
いよいよ悪象ファッツに走り懸ると
彼奴
(
かやつ
)
今吐いた広言を忘れ精神散乱して杼も餅も落し命
辛々
(
からがら
)
逃げ走る、その餅原来尋常の餅でなく
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
肩口へ
極深
(
のぶか
)
に、
彼奴
(
かやつ
)
倒れながら抜打ちに胴を……自分は四五寸切り込まれる、ばッたり倒れる、息は絶える,娘はべッたりそこへ坐ッて
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
すると
彼奴
(
かやつ
)
は、真蒼な顔をして、毒々しい両眼にびっくりしたらしい表情を浮べて、ものも云わずに逃げてってしまったんだ。
グロリア・スコット号
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
「柵の
杭
(
くい
)
はかく打つもの、結び様はこの様にするもの」と云い
乍
(
なが
)
ら立ち働いて居るのを見て、昌景、「
彼奴
(
かやつ
)
は尋常の士ではない、打ち取れ」
長篠合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
彼奴
(
かやつ
)
のために
謀
(
はか
)
られて、途中、輸送に従っていた十六名の者、みな毒酒を呑まされて……かくのごとき始末にござりまする
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
併
(
しか
)
しそれは忠之の方で、
彼奴
(
かやつ
)
どれだけの功臣にもせよ、其功を
恃
(
たの
)
んで人もなげな振舞をするとは
怪
(
け
)
しからんと思ひ、又利章の方で、殿がいくら聰明でも
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
三五郎は
否々
(
いや/\
)
何にしても此度は
是非共
(
ぜひとも
)
貸
(
かし
)
くれよ
翌日
(
あす
)
にも
仕合
(
しあはせ
)
が
好
(
よけ
)
れば返すべしとて何分承知せざれば段右衞門も心中に思ふやう
彼奴
(
かやつ
)
我
(
わ
)
が身に惡事のあるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
うむ、よく
冷
(
ひ
)
えている。十分熱に耐えたようじゃ。
彼奴
(
かやつ
)
らは、まさかこの
人造人間
(
じんぞうにんげん
)
の胸の中には、液体酸素の冷却装置があるということに気がつかないのじゃろう。
大使館の始末機関:――金博士シリーズ・7――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
詛はれし者共聲をそろへて叫びていふ、いざルビカンテよ、汝爪を下して
彼奴
(
かやつ
)
の皮を
剥
(
は
)
げ 四〇—四二
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
扨は
彼奴
(
かやつ
)
も相談に乗っているのではないか、それにつけても頼むまじきは人心じゃ、急ぎ兵部奴を
誑
(
たばか
)
り寄せて、腹を切らせよとの仰せでござったが、そこを某が執り成して
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「
彼奴
(
かやつ
)
は
神通広大
(
じんずうこうだい
)
なる魔法使にて候えば、何を
仕出
(
しい
)
ださむも
料
(
はか
)
り
難
(
がた
)
し。さりとて鼻に従いたまえと
私
(
わたくし
)
申上げはなさねども、よき御分別もおわさぬか。」と熱心に云えば
冷
(
ひやや
)
かに
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この「ルチフエエル」が姿をば、一たび見つるもの忘るゝことなし。われもダンテが詩にて、
彼奴
(
かやつ
)
と
相識
(
ちかづき
)
になりたるが、汝はよべの
囈語
(
うはごと
)
に、その魔王の状を、
詳
(
つばら
)
に我に語りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
俺を助けるのは、
彼奴
(
かやつ
)
を斬るより外に道がないのだ——全く、よく似ている。
三人の相馬大作
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
常人には気取られるはずのないおれの動静を感づいた
彼奴
(
かやつ
)
は何者だろう。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
電燈のコード咬み切るふてぶてし鼠
彼奴
(
かやつ
)
は感ぜぬらしき
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
だが
奴
(
やっこ
)
さんそれでは満足しなかったので、
賄方
(
まかないがた
)
に出世させてもらったんだ。まるで家の中は
彼奴
(
かやつ
)
の思うように左右されてるようなものなんだ。
グロリア・スコット号
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
手込
(
てごめ
)
にせんとは不屆なり愼んで此方の調べを
受
(
うけ
)
よと
叱
(
しか
)
り
付
(
つけ
)
るに五兵衞はハツと心付是は
實
(
まこと
)
に恐れ入り奉つる
彼奴
(
かやつ
)
に悴を殺されたる無念の餘り御役人樣の御前を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
能
(
いい
)
加減に述べて、引き出しを
抽
(
ひ
)
いて、たちまち
彼奴
(
かやつ
)
の眼前へ打ち
覆
(
かえ
)
すと、無数の小銭が八方へ転がり走る。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
しかし、彼の
鬱憤
(
うっぷん
)
は、久米一の細工屋敷が没落し、彼が城下で
磔
(
はりつけ
)
になるのをみても、まだまだ腹が
癒
(
い
)
えなかった。
彼奴
(
かやつ
)
が死んでも殺されても、まだ生きているもののあるのを知っている。
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして深山の室に
闖入
(
ちんにゅう
)
して、あのフィルムを
奪回
(
だっかい
)
したのです。
彼奴
(
かやつ
)
を探しましたが、どうしたものかベッドはあっても姿はありません。早くも風を喰らって逃げてしまった後だったのです。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
間近く
彼奴
(
かやつ
)
の後に出でつ。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼奴
(
かやつ
)
は家の中をぶらぶら歩き廻って、何でも自分勝手な事をしてしまうんだよ、女中たちは
彼奴
(
かやつ
)
の酔っ払らいと乱暴な言葉使いに腹を立ててブツブツ云う。
グロリア・スコット号
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
見定
(
みさだ
)
めざりしは
殘念
(
ざんねん
)
なれども江戸の中にさへ居らば尋ぬるにも
便
(
たよ
)
りよし
然
(
さり
)
ながら
彼奴
(
かやつ
)
も
惡漢
(
しれもの
)
なれば其方と
面
(
おもて
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「こなたから、不意に軍勢をのばすのじゃ、
彼奴
(
かやつ
)
らの虚を突くのだ」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
常用漢字
中学
部首:⼻
8画
奴
常用漢字
中学
部首:⼥
5画
“彼奴”で始まる語句
彼奴等
彼奴共
彼奴呼
彼奴迄