“相識”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しりあい34.1%
あいし26.8%
そうしき12.2%
さうしき9.8%
ちかづき7.3%
あいしっ2.4%
あひし2.4%
しりあひ2.4%
みしり2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この下宿さがし——小野さんと私たちが相識しりあいになったのは、その「下宿探し」という楽しい企業に関する一つの妙ないきさつからだった。
この人生れてより下二番町しもにばんちょうに住み巌谷小波いわやさざなみ先生の門人とは近隣のよしみにて自然と相識あいしれるがうちにも取りわけ羅臥雲らがうんとて清人しんじんにて日本の文章俳句を
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
景一は京都赤松殿やしきにありし時、烏丸光広からすまるみつひろ卿と相識そうしきに相成りおりそろ。これは光広卿が幽斎公和歌の御弟子にて、嫡子ちゃくし光賢みつかた卿に松向寺殿の御息女万姫君まんひめぎみめあわせ居られそろゆえに候。
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
或は我を識り給ふあらんも知るべからず。おん身は知らぬ大都會に往き給ふといへば、かしこにて一度我家におとづれ、我夫と相識さうしきになり給はんかた宜しからん。
広津ひろつと知つたのは、廿にぢう一年の春であつたか、少年園せうねんゑん宴会ゑんくわい不忍池しのばず長酡亭ちやうだていつて、席上せきじやう相識ちかづきつたのでした、其頃そのころ博文館はくぶんくわん大和錦やまとにしきふ小説雑誌を出して
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
エッ? 二人が相識あいしったのは歌留多会からだ、双方に理解があったのだ、今度の事件は二人共、道徳上問題だが、二人の中に関して道徳を課するのはどうかね
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
彼は幼き時より物読むことをば流石さすがに好みしかど、手に入るは卑しき「コルポルタアジユ」と唱ふる貸本屋の小説のみなりしを、余と相識あひしる頃より、余が借しつる書を読みならひて
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
馴々なれ/\しいのとは違ふ。はじめからふる相識しりあひなのである。同時に女はにくゆたかでないほゝを動かしてにこりと笑つた。蒼白いうちに、なつかしい暖味あたゝかみが出来た。三四郎の足は自然しぜんと部屋のうちへ這入つた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
笹の関は、中川修理太夫の領内で、したがって、藩士の久住希十郎とは、故郷許くにもとからの相識みしりだった。もっとも、しりあいといったところで、身分が違う。