“ちかづき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
知己57.8%
近付6.9%
近附6.0%
昵近3.4%
昵懇2.6%
相識2.6%
親懇2.6%
懇意1.7%
眤近1.7%
知合1.7%
親交1.7%
近眤1.7%
近着1.7%
懇親0.9%
挨拶0.9%
知辺0.9%
親密0.9%
親昵0.9%
親眤0.9%
親近0.9%
識面0.9%
面識0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勿々なか/\世話にも成難なりがたく如何はせんと思ひし折柄をりから竹本君太夫と云ふ淨瑠璃語じやうるりかたり金七が上方かみがたに在りし頃よりの知己ちかづきにて火事見舞に來りしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一 みこかんなぎなどの事に迷て神仏を汚し近付ちかづきみだりいのるべからず。只人間の勤をよくする時は祷らず迚も神仏は守り給ふべし。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
近附ちかづきニナッタガ、ソノ男ガ云ウニハ、オマエ様ハ天府ノ神ヲ御信心ト見エマスガ、左様デ御座リマスカト云ウカラ、年来妙見宮ヲ拝ストイッタラ、左様デ御座リます
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
お庄のところへ来たてに磯野はそんな金で、軟かい着物を拵えたり、持物を買ったりして景気づいていたが、湯島界隈かいわいの料理屋にもちょいちょい昵近ちかづきの女があった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
第二は、主人三好長慶を攻めほろぼした。第三は、南都の大仏殿を無意味に焼き払った。——そういう老体でござる。以後、お昵懇ちかづきになっておかれたらよろしかろう
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この「ルチフエエル」が姿をば、一たび見つるもの忘るゝことなし。われもダンテが詩にて、彼奴かやつ相識ちかづきになりたるが、汝はよべの囈語うはごとに、その魔王の状を、つばらに我に語りぬ。
それから、二十年ものあいだ、百歩の近くに住みながら、どうして、お親懇ちかづきを得る折がなかったのか。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先生にはお懇意ちかづきになりましたか? お組のうたった不思議な歌の意味、あれはどうなのでござります? 何が故に水品陣十郎は、先生やお組を狙うのですかと、浪之助はいろいろ要介に対して
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
どうも誠に思ひけないことでおまへさんに邂逅あひました、だおにはからなかつたが、今度こんどはお眤近ちかづきにならう……まア此時節このじせつかはつて貴方あなた御零落ごれいらくになつて、んともひやうがない
知合ちかづきにも友だちにも、女房に意見をされるほどの始末で見れば、行きどころがなかったので、一夜ひとよしのぎに、この木曾谷まで遁げ込んだのだそうでございます、遁げましたなあ。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一週間では彼等の五分の一も親交ちかづきにはなって居なかったが、独りイフヒムは妙に私の注意を聳やかした一人であった。
かんかん虫 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
わたくしの様な馬鹿でございますけれども、あなた方は何もお近眤ちかづきになった事もない方が無理遣むりやりにこんな処へ手を持って、厭がる者を引張込んで、人の用の妨げをして、酒を飲めなんて
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
時々ときどき同室どうしつ者等ものらけて、ひとりまどところって、なにかをむねけて、かしらかがめて熟視みいっている様子ようすたれかもし近着ちかづきでもすれば、きまりわるそうにいそいでむねからなにかをってかくしてしまう。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それはなんぞのお間違まちがひなるべしわたくし客樣きやくさまにお懇親ちかづきはなしいけはたよりおともせしに相違さうゐけれど車代しやだいたまはるよりほか御用ごようありとはおぼえず其譯そのわけおほせられて車代しやだい頂戴ちやうだいねがくだされたしと一歩いつぽうごかんとせぬ芳之助よしのすけ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
このへんはたいへん景色がよく、また、空気もいいこと、そのうちに一度お挨拶ちかづきにあがって、ご自慢の喉を聞かせていただきたく存じていた、……こと
又ある知辺ちかづきの言ふのでは、あれは三十年ぜん仏蘭西へ往つた時に覚えて来た癖ださうだが、それでも一向差支ない、折角仏蘭西まで往つて何一つ覚えなかつたとすれば
色よしとする通町辺とおりちょうへんの若旦那に真似のならぬ寛濶かんかつ極随ごくずい俊雄へ打ち込んだは歳二ツ上の冬吉なりおよそここらの恋と言うは親密ちかづきが過ぎてはいっそ調ととのわぬが例なれど舟を
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
したがって土佐出身の名士には親昵ちかづきがあったが、文人特有の狷介けんかい懶惰らんだとズボラが累をなして同郷の先輩に近づかず
名主様から三番目に坐る方だ、此の方に頭を押えられちゃア村に居憎いにくいやア、旦那に親眤ちかづきになって置きねえ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「お前はこの御城内にお親近ちかづきの方があるはずなのよ、お前は知らないと言うけれども、わたしはちゃんと知っている」
と団さんは相変らず落ち着き払ったもので、田口さん初め見送りの連中に挨拶してから、田鶴子さんを未だ面識ちかづきのなかった三輪夫人に紹介した。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)