-
トップ
>
-
此時節
此時節より
通ひ
初るは
浮かれ
浮かるゝ
遊客ならで、
身にしみ/″\と
實のあるお
方のよし、
遊女あがりの
去る
女が
申き
へい/\。主「
以前は
然るべきお
方の
成れの
果で、まア
此時節が
斯う
変つたから、
当時然ういふ
御身分に
零落れなさつたのだらうが、
何うもお気の毒なことで…。 ...
どうも誠に思ひ
掛けないことでお
前さんに
邂逅ました、
未だお
目には
掛からなかつたが、
今度はお
眤近にならう……まア
此時節が
変つて
貴方は
斯う
御零落になつて、
何んとも
云ひやうがない