“当時”のいろいろな読み方と例文
旧字:當時
読み方割合
とうじ47.2%
たうじ15.1%
そのころ9.4%
いま7.5%
そのかみ5.7%
そのとき3.8%
とき3.8%
いまどき1.9%
このごろ1.9%
むかし1.9%
ソノカミ1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あのときの、おんな先生せんせいは、まだいらっしゃるだろうか。それにつけ、ぼくは、ふかこころにのこって、わすれられない当時とうじおもがあります。
だれにも話さなかったこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
なんでも飛騨ひだゑん当時たうじかはつたこともめづらしいこともなかつたが、たゞ取出とりいでゝいふ不思議ふしぎは、医者いしやむすめで、うまれるとたまのやう。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかしながら、彼らの行ったところは、主としていわゆる「部落改善」でありました。もちろんこれは当時そのころにとって、もっとも必要な手段でありました。
融和促進 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
当時いまの殿様の曾祖父様ひいおじいさまの時代のはなしで、その奥様が二歳ふたつになる若様を残して御死亡おなくなりになりました、ソコで間もなくから後妻にどぞいをお貰いになって
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
恋々れんれんたるわれを、つれなく見捨て去る当時そのかみに未練があればあるほど、人も犬も草も木もめちゃくちゃである。孤堂先生は胡麻塩ごましおまじりのひげをぐいと引いた
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
自分はかれを七年以前、故郷のある村の村塾そんじゅくで初めて見た。かれは当時そのとき、村の青年四、五名をあつめて漢籍を教えていた。
まぼろし (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
三四年前、この村から十里許り隔つた或村に同じやまひ猖獗しやうけつを極めた時、所轄警察署の当時ときの署長が、大英断を以て全村の交通遮断を行つた事がある。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
しかるに振袖の娘は、山姫どころか、(今は何と云うかたしかでない)……さ、さ、法界……あの女である。当時いまどきは、安来節、おはら節などを唄うと聞く、流しの法界屋のねえさんの仮装したのに過ぎない。
勝四郎は雀部ささべに従ひて京にゆき、絹ども残りなく交易せしほどに、当時このごろ都は四三花美くわびを好むときなれば、四四よき徳とりてあづまに帰る用意はかりごとをなすに、今度このたび上杉のつはもの鎌倉の御所をおと
当時むかし盲縞めくらじまの腹掛けは今日黒の三つ紋の羽織となりぬ。金沢裁判所新任検事代理村越欣弥氏は、実に三年前の馭者台上の金公なり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
当麻路に墓を造りました当時ソノカミ、石をハコぶ若い衆にのり移つたタマが、あの長歌をウタうた、と申すのが伝へ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)