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当時
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とうじ
ふりがな文庫
“
当時
(
とうじ
)” の例文
旧字:
當時
あのときの、
女
(
おんな
)
の
先生
(
せんせい
)
は、まだいらっしゃるだろうか。それにつけ、
僕
(
ぼく
)
は、
深
(
ふか
)
く
心
(
こころ
)
にのこって、
忘
(
わす
)
れられない
当時
(
とうじ
)
の
思
(
おも
)
い
出
(
で
)
があります。
だれにも話さなかったこと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
勝氏は
真実
(
しんじつ
)
の攘夷論者に非ざるべしといえども、
当時
(
とうじ
)
の
勢
(
いきおい
)
、
止
(
や
)
むを得ずして攘夷論を
装
(
よそお
)
いたるものならん。その
事情
(
じじょう
)
以
(
もっ
)
て知るべし。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
しかし、
火薬
(
かやく
)
も
鉄砲
(
てっぽう
)
も、
当時
(
とうじ
)
まだ南海の
蛮船
(
ばんせん
)
から日本へ
渡来
(
とらい
)
したばかりで、
硝石
(
しょうせき
)
の
発火力
(
はっかりょく
)
も、今のような、はげしいものではない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
当時
(
とうじ
)
の
私
(
わたくし
)
に
取
(
と
)
りましては、
死
(
し
)
んだ
良人
(
おっと
)
に
逢
(
あ
)
うのがこの
世
(
よ
)
に
於
(
お
)
ける、
殆
(
ほと
)
んど
唯一
(
ゆいいつ
)
の
慰安
(
いあん
)
、
殆
(
ほと
)
んど
唯一
(
ゆいいつ
)
の
希望
(
きぼう
)
だったのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「そうよ。おまけにこいつァ、ただの
女
(
おんな
)
の
爪
(
つめ
)
じゃァねえぜ。
当時
(
とうじ
)
江戸
(
えど
)
で、一といって二と
下
(
くだ
)
らねえといわれてる、
笠森
(
かさもり
)
おせんの
爪
(
つめ
)
なんだ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
▼ もっと見る
白に関する最近の消息は
斯
(
こ
)
うであった。
昨春
(
さくしゅん
)
当時
(
とうじ
)
の皇太子殿下今日の
今上陛下
(
きんじょうへいか
)
が甲州御出の時、演習御覧の為赤沢君の村に御入の事があった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
当時
(
とうじ
)
夏目先生
(
なつめせんせい
)
の
面会日
(
めんかいび
)
は
木曜
(
もくよう
)
だったので、
私達
(
わたしたち
)
は
昼
(
ひる
)
遊
(
あそ
)
びに
行
(
ゆ
)
きましたが、
滝田
(
たきた
)
さんは
夜
(
よる
)
行
(
い
)
って
玉版箋
(
ぎょくばんせん
)
などに
色々
(
いろいろ
)
のものを
書
(
か
)
いて
貰
(
もら
)
われたらしいんです。
夏目先生と滝田さん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
、
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
ののどかな村むらを、
粟毛
(
くりげ
)
に
額白
(
ぬかじろ
)
の馬をのりまわした糟谷は、
当時
(
とうじ
)
若
(
わか
)
い男女の
注視
(
ちゅうし
)
の
焦点
(
しょうてん
)
であった。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
江連
(
えづれ
)
は
当時
(
とうじ
)
、
榎本
(
えのもと
)
の
家族
(
かぞく
)
といっしょに
静岡
(
しずおか
)
にすんでいたのですが、
手紙
(
てがみ
)
には、つぎのようにかいてありました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
今では小学校の
読本
(
とくほん
)
は、日本中どこへいっても同じのを
使
(
つか
)
っておりますが、その
当時
(
とうじ
)
は、北海道用という
特別
(
とくべつ
)
のがあって、わたしたちは、それを
習
(
なら
)
ったものです。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
あのころつまり私たちがその遊びをしていた
当時
(
とうじ
)
でさえ、
他
(
た
)
の子どもたちはそういう遊びを知っていたかどうかもあやしい。いちおう私と
同年輩
(
どうねんぱい
)
の人にたずねてみたいと思う。
花をうめる
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
昔の
因縁
(
いんねん
)
を考えると、わしとて、譲らんでもないが、しかしあのように敗けてばかりいるのでは
張合
(
はりあ
)
いがない。——で、
当時
(
とうじ
)
、醤の奴は、どこにいるのか。
重慶
(
じゅうけい
)
か、
成都
(
せいと
)
か、それとも
昆明
(
こんめい
)
か
人造人間戦車の機密:――金博士シリーズ・2――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
この
当時
(
とうじ
)
は、
武士
(
ぶし
)
のことばに、そうむやみにそむくわけにはいきませんでしたので、法一はなんとなく
気味悪
(
きみわる
)
く思いながらも、びわをかかえて、その
案内者
(
あんないしゃ
)
に手をひかれて寺をでかけました。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
どうだの、これは
別
(
べつ
)
に、おいらが
堺屋
(
さかいや
)
から
頼
(
たの
)
まれた
訳
(
わけ
)
ではないが、
何
(
な
)
んといっても
中村松江
(
なかむらしょうこう
)
なら、
当時
(
とうじ
)
押
(
お
)
しも
押
(
お
)
されもしない、
立派
(
りっぱ
)
な
太夫
(
たゆう
)
。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
彼
(
かれ
)
は、せめても、おしずにお
守
(
も
)
りをされた、
当時
(
とうじ
)
の四つばかりの
自分
(
じぶん
)
の
顔
(
かお
)
を
写真
(
しゃしん
)
によって、
作
(
つく
)
ってみようと
思
(
おも
)
いたちました。
愛は不思議なもの
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
当時
(
とうじ
)
の
私
(
わたくし
)
には、せめて一
度
(
ど
)
でも
眼前
(
がんぜん
)
に
自分
(
じぶん
)
の
遺骸
(
いがい
)
を
見
(
み
)
なければ、
何
(
なに
)
やら
夢
(
ゆめ
)
でも
見
(
み
)
て
居
(
い
)
るような
気持
(
きもち
)
で、あきらめがつかなくて
仕方
(
しかた
)
がないのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
もっともそれは、
当時
(
とうじ
)
からの
腕白仲間
(
わんぱくなかま
)
の
鍛冶屋
(
かじや
)
の
虎之助
(
とらのすけ
)
や
桶屋
(
おけや
)
の市松などと、さしむかいでいる時にかぎってはいたが。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
糟谷
(
かすや
)
はまた自分の
結婚
(
けっこん
)
するについてもその
当時
(
とうじ
)
あまりに
思慮
(
しりょ
)
のなかったことをいまさらのごとく
悔
(
く
)
いた。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
当時
(
とうじ
)
幕府の進歩派
小栗上野介
(
おぐりこうずけのすけ
)
の
輩
(
はい
)
のごときは
仏蘭西
(
フランス
)
に結びその力を
仮
(
か
)
りて以て幕府統一の
政
(
まつりごと
)
をなさんと
欲
(
ほっ
)
し、
薩長
(
さっちょう
)
は英国に
倚
(
よ
)
りてこれに
抗
(
こう
)
し
互
(
たがい
)
に
掎角
(
きかく
)
の
勢
(
いきおい
)
をなせり。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
その
当時
(
とうじ
)
、まだ二十
代
(
だい
)
の
青年
(
せいねん
)
で、あの
石狩平野
(
いしかりへいや
)
を走る
列車
(
れっしゃ
)
に
車掌
(
しゃしょう
)
として乗りこんでいたおじからきいた話なのです。
以下
(
いか
)
、わたしとか自分とかいうのは、おじのことです。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
三
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
らは、
当時
(
とうじ
)
のように
笑
(
わら
)
いもせずに、いずれも
心配
(
しんぱい
)
そうな
顔
(
かお
)
つきをしていました。やがて
父親
(
ちちおや
)
は、なにかいって
金庫
(
きんこ
)
の
方
(
ほう
)
を
指
(
ゆび
)
さしました。
青い時計台
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お
爺
(
じい
)
さんのお
話
(
はなし
)
は、
何
(
なに
)
やらまわりくどいようで、なかなか
当時
(
とうじ
)
の
私
(
わたくし
)
の
腑
(
ふ
)
に
落
(
お
)
ち
兼
(
か
)
ねたことは
申
(
もう
)
すまでもありますまい。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
損
(
そん
)
五も
得
(
とく
)
七もありゃァしません。
当時
(
とうじ
)
名代
(
なだい
)
の
孝行娘
(
こうこうむすめ
)
、たとい
若旦那
(
わかだんな
)
が、百
日
(
にち
)
お
通
(
かよ
)
いなすっても、こればっかりは
失礼
(
しつれい
)
ながら、
及
(
およ
)
ばぬ
鯉
(
こい
)
の
滝登
(
たきのぼ
)
りで。……
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
新しい学問をした
獣医
(
じゅうい
)
はまだすくない時代であるから、糟谷は
獣医
(
じゅうい
)
としても
当時
(
とうじ
)
の
秀才
(
しゅうさい
)
であった。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
当時
(
とうじ
)
外国人にも
自
(
おのず
)
から種々の説を
唱
(
とな
)
えたるものなきにあらずというその
次第
(
しだい
)
は、たとえば幕府にて始めに
使節
(
しせつ
)
を米国に
遣
(
つか
)
わしたるとき、彼の軍艦
咸臨丸
(
かんりんまる
)
に
便乗
(
ぴんじょう
)
したるが
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
いや、
当時
(
とうじ
)
、海外から日本にきていて、この
工事
(
こうじ
)
を
見聞
(
みき
)
きしたクラセとか、フェローのような、
宣教師
(
せんきょうし
)
でも、みな
舌
(
した
)
を
巻
(
ま
)
いて、その
高大
(
こうだい
)
をつぶさに
本国
(
ほんごく
)
へ通信していた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこが、
城
(
しろ
)
あとでありました。わずかにのこるものは、
当時
(
とうじ
)
、とりでにつかったという、
青
(
あお
)
ごけのはえた、
大
(
おお
)
きな
石
(
いし
)
と、やぶにかくれた、
池
(
いけ
)
くらいのものです。
水七景
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「さすがに、
英雄
(
えいゆう
)
はちがっていた。なんといわれても、
仲間
(
なかま
)
とは、けんかをしなかったからな。」と、その
当時
(
とうじ
)
、
彼
(
かれ
)
のあだ
名
(
な
)
をいった
友
(
とも
)
だちまでが、
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
いました。
からす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
当時
(
とうじ
)
から
見
(
み
)
ると、なるほど、
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
進歩
(
しんぽ
)
したが、のんびりとしたところがなくなって、
暮
(
く
)
らしづらくなりました。おじいさんのいわれたことは、みんなほんとうなのでした。
おばあさんとツェッペリン
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
たとえば、
丹塗
(
にぬ
)
りの
社
(
やしろ
)
があり、
用水池
(
ようすいいけ
)
があり、
古墳
(
こふん
)
はそのかたわらにあったことや、
伝説
(
でんせつ
)
の
話
(
はなし
)
や、
棺
(
かん
)
を
掘
(
ほ
)
ったときのありさまなど、
当時
(
とうじ
)
のことを、
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
しながら
語
(
かた
)
ったのであります。
うずめられた鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、
当時
(
とうじ
)
の
若者
(
わかもの
)
は、もういい
働
(
はたら
)
き
盛
(
ざか
)
りになっていて、こう
答
(
こた
)
えました。
あほう鳥の鳴く日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この
街
(
まち
)
のあるところが、
当時
(
とうじ
)
は
海岸
(
かいがん
)
であったのがわかるというのだ。
アパートで聞いた話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
バシャバシャと
水
(
みず
)
をはねかえして、
冷
(
つめ
)
たい
氷水
(
こおりみず
)
を
浴
(
あ
)
びたときだけ、わずかに、
自分
(
じぶん
)
の
生
(
う
)
まれた
北
(
きた
)
の
故郷
(
こきょう
)
にいた
時分
(
じぶん
)
のことを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
したり、また、ちょっと、その
当時
(
とうじ
)
の
気持
(
きも
)
ちになったのであります。
白いくま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
当時
(
とうじ
)
、ひまわりの
花
(
はな
)
は、この
地方
(
ちほう
)
にすら
珍
(
めずら
)
しいものに
思
(
おも
)
われました。また、この
花
(
はな
)
の
種子
(
たね
)
から、
薬
(
くすり
)
が
造
(
つく
)
られるというので、
小父
(
おじ
)
さんは、それを
持
(
も
)
って
帰
(
かえ
)
って、
自分
(
じぶん
)
の
家
(
うち
)
のまわりにまいたのであります。
二番めの娘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こういって、
賢
(
けん
)
一は、まことに
危険
(
きけん
)
だった
当時
(
とうじ
)
を
追想
(
ついそう
)
しました。
空晴れて
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
兄
(
あに
)
は、
当時
(
とうじ
)
、くわをののしっていったことを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
しました。
くわの怒った話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“当時”の意味
《名詞・形容動詞》
当 時(とうじ)
その時。その頃。
現在、今日(こんにち)。
(出典:Wiktionary)
当
常用漢字
小2
部首:⼹
6画
時
常用漢字
小2
部首:⽇
10画
“当”で始まる語句
当
当然
当惑
当前
当座
当家
当身
当麻
当嵌
当初