“抗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あらが36.6%
さから23.8%
こう5.9%
さか5.9%
むか5.0%
3.0%
あがら3.0%
あら3.0%
かな3.0%
あらそ2.0%
2.0%
かう1.0%
こだ1.0%
こば1.0%
はむか1.0%
1.0%
アラガ1.0%
ムカ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すでにどうあらがってみても危篤の友を見舞うにふさわしいものはなくて、抑えても抑えてもふくれあがる女への情熱でいっぱいだった。
正体 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
涙ながらにかきくどく母の言葉には、さからうすべもなく、妓王はいやいや、妹と他の二人の白拍子と連れ立って西八条に出かけていった。
ふゆへかけてのたびは、はげしい北風きたかぜこうしてすすまなければならなかった。としとったがんは、みんなをれているという責任せきにんかんじていました。
がん (新字新仮名) / 小川未明(著)
お藤に素破抜すっぱぬかれると、万次郎はそれにさからう気力もなく、がっくり首を落して、平次の前に二つ三つお辞儀をしました。
「殺さねえように捕まえる。それで、相手が刃物を持っていると、こっちも刃物でむかって行かにゃならねえ」と、考え考え首をひねって
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
黒一楽くろいちらく三紋みつもん付けたる綿入羽織わたいればおり衣紋えもんを直して、彼は機嫌きげん好く火鉢ひばちそばに歩み寄る時、直道はやうやおもてげて礼をせり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
惡黨がつて居るお六も、あがらふ力もなく首を延ばし上げられて、左の小脇にかい込まれると思ふ間もなく、薄月に閃めく銀簪、あはやお六の右の眼へ——。
お君は泣き顏を振りあげて、必死とあらがひますが、寅松はセセラ笑つてその丸い肩を小突き乍ら、袂の捕繩を左手で爪搜まさぐるのです。
「駄目だよ今日は。観念あきらめるさ。とてもかなわぬ事だから、僕は此処を先途せんどと喋り散らして花々しく討死する覚悟だ。ワッハヽヽヽ」
The Affair of Two Watches (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
妙子は必死とあらそいましたが、男の力にはもとより及ぶべきもありません。殆んど折檻でもするような調子で、嫌応なしにモデル台の上に押し上げられてしまいました。
小親がかろき身のはたらき、躍ればつちつまを着けず、舞の袖の飜るは、そらに羽衣かかると見ゆ。長刀なぎなたかつぎてゆらりと出づれば、手につ敵の有りとも見えず。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けれども、ふゆ鳥打帽とりうちばうかむつた久留米絣くるめがすり小僧こぞうの、四顧しこ人影ひとかげなき日盛ひざかりを、一人ひとりくもみねかうして勇氣ゆうきは、いまあいする。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
俺あどこまでも好自由な独者で渡りてえんだから、それをこだわることだけは、どうか勘弁してくんねえ、お願いだ。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
こばさわぎ枝にひたすがる燕の揺れ一羽は宙にまだ羽うちつつ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
見よ、油にて清められたる吾等は君に奉仕して、白衣と長袍とを摩り耗らしつゝ、救を得ん為の一心に諸の誘惑にはむかつてゐる。
法王の祈祷 (新字旧仮名) / マルセル・シュウォッブ(著)
「おれの持船も、ことし中には百艘になろう。国もとでらせている鉱山かなやまも、来年からは黄金を生むだろう。夜が明けて、鳥が啼けば、金がえる——」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其間に、舞台は頻りに進んで行く。私は、人間の滅亡を、唯傍視してゐるばかりであつた。若いの延若もよかつた。魁車もよかつた。その為に生れて来た人たちだと言つても、誰がアラガふであらう。
実川延若讃 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
日光に向ふ(即、ムカふ)とか、背負ふとか言ふ事を、大問題にしたと言ふ伝へも、祖先神だからと言ふ処に中心が置かれては居るけれども、やはり此方面から説く方が
信太妻の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)