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抗
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さから
ふりがな文庫
“
抗
(
さから
)” の例文
涙ながらにかきくどく母の言葉には、
抗
(
さから
)
うすべもなく、妓王はいやいや、妹と他の二人の白拍子と連れ立って西八条に出かけていった。
現代語訳 平家物語:01 第一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
私が隱さうと思つてゐるものを表に出さうと
抗
(
さから
)
ふ私の顏の筋肉のふるへを抑制しようと心配して、どんな風にしたものか判らない。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
マンは、青ざめた顔をしていたが、なに一つ、夫の言葉に
抗
(
さから
)
わなかった。火の入った弓張提灯を持って、小走りに、出て行った。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
ザアッと湯の波に
抗
(
さから
)
って、
朱塗
(
しゅぬり
)
の
仁王
(
におう
)
の如く物凄く突っ立った陽吉が、声を限りに絶叫したとき、浴客ははじめて総立ちになって振返った。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
だが、時代の激しい流れには
抗
(
さから
)
いようもありません。民族の大きな起伏や、文化の大きな流れのうちには、こういった犠牲は免れないのです。
奇談クラブ〔戦後版〕:07 観音様の頬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
それに対して
抗
(
さから
)
いつつ、或る必要な力をもっていないという自覚に苦しんでいる、そこから現代のトスカが湧くのである。
「迷いの末は」:横光氏の「厨房日記」について
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
何と
抗
(
さから
)
うてみても体験で固めたこの厚い扉のように堅く寂しい男の笑顔に対しては、爪も立たないように思われました。
扉の彼方へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「そんなら、おまはんどないしても、親に
抗
(
さから
)
うて、森田と一緒にならう言ふんやな? そして支那へ行く言ふんやな?」
乳の匂ひ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
矢張真理は
抗
(
さから
)
えんもので、四丁目から電車へ乗って足の方が楽になると、私は今にも往来へ躍び出して駈け出したくなるような恐怖に襲われ出した。
The Affair of Two Watches
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
私はちょっと
抗
(
さから
)
って見せたが、自分が
頑張
(
がんば
)
っていればおばあさんの力ではどうにもならないのを知っているものだから、身ぶりだけで抵抗しいしい
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
目を
摩
(
こす
)
つて見れば、夜は明け離れて、旭が麗かに照つて居ます。木の間には枝から枝に渡つて鳴く小鳥、清い山風に
抗
(
さから
)
つて高く舞ふ青空の鷲ばかり。
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
西風がドウと吹いて、千里の夏草が皆
靡
(
なび
)
く、
抗
(
さから
)
ふ樹もなければ、
遮
(
さへぎ
)
る山もない、と、風は野の涯に來て自ら死ぬ。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「兄者、聞こう! 公卿相手の茶坊主ごときやつに
抗
(
さから
)
って、先祖代々の家をつぶして何が面白い——。」
元禄十三年
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
もしそれに少しでも
抗
(
さから
)
ったら、すぐに黒土を
打付
(
ぶつ
)
けられるのに相違ないのだ。
土竜
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
その本流と
可児
(
かに
)
川の
合
(
がっ
)
するところ、
急奔
(
きゅうほん
)
し衝突し、抱合し、反撥する余勢は、
一旦
(
いったん
)
、一大
鉄城
(
てつじょう
)
のごとく
峭立
(
しょうりつ
)
し突出する
黒褐
(
こっかつ
)
の岩石層の絶壁に殺到し、遮断されて水は水と
撃
(
う
)
ち、力は力と
抗
(
さから
)
い
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
女に
抗
(
さから
)
つてゐた身体の力もそのまま抜けて了つたやうな気がした。
釜ヶ崎
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
ガラッ八はまだ腑に落ちない様子ですが、平次にそう言われると、強いて
抗
(
さから
)
うほどの智恵もありません。
銭形平次捕物控:049 招く骸骨
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そのお約束で、御奉公に上っております糸でございます。何で
御意
(
ぎょい
)
に
抗
(
さから
)
いましょう。殿様さえお心変りなさらなければ、末長く——でも、きっとすぐお飽きになって——。」
元禄十三年
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
稚い時から極く
穏
(
おとな
)
しい性質で、人に
抗
(
さから
)
ふといふ事が一度もなく、
口惜
(
くやし
)
い時には物蔭に隠れて泣くぐらゐなもの、年頃になつてからは、村で一番老人達の気に入つてるのが此お定で
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
(金さんも、あまり
抗
(
さから
)
わずに、ええ加減にしとけばええのに……)
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
飛付いて父親の口でも
塞
(
ふさ
)
ぎ度いやうなお勢の熱心さを見ると、さすがに其上
抗
(
さから
)
ひ兼ねたものか
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
稚
(
ちひさ
)
い時から極く穩しい性質で、人に
抗
(
さから
)
ふといふ事が一度もなく、口惜しい時には物蔭に隱れて泣くぐらゐなもの、年頃になつてからは、村で一番老人達の氣に入つてるのが此お定で
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お常は躍起となつて
抗
(
さから
)
ひましたが、平次は相手にする樣子もなく、見て來たやうな事を言つて
銭形平次捕物控:013 美女を洗ひ出す
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
女はなおも
抗
(
さから
)
いますが、ガラッ八の馬鹿力は、そんな事を物の数ともしません。
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
女はなほも
抗
(
さから
)
ひますが、ガラツ八の馬鹿力は、そんな事を物の數ともしません。
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次も
抗
(
さから
)
いやうはありません。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
抗
常用漢字
中学
部首:⼿
7画
“抗”を含む語句
抵抗
反抗
抗議
抵抗力
拮抗
抗争
抗弁
無抵抗
抗辯
不可抗力
抗抵
対抗
抗言
手抗
對抗
反抗心
不可抗
界磁抵抗器
武力抗争
敵抗
...